
チキン・ティカ・マサラのティカとは串焼きのことです。
ですから、本来であれば、チキン・ティカ・マサラは、鶏をタンドーリで串焼きにしたものを
マサラソースで仕上げたカレーを意味します。
しかし、家庭で串焼きをするのは、いささか面倒です。
なので、その部分は思い切って端折ってレシピを完成させました。
イギリス人の大好きなメニューで、
テイクアウェイ(持ち帰り)やレディミール(できあいの冷蔵食品)で利用される率はトップクラスだと思われます。
2001年、ときのロビン・クック外務邦大臣はチキン・ティカ・マサラを
“true British national dish/まさにイギリスの国民食”と評したほどです。
そう、チキン・ティカ・マサラはnew traditionalともいうべき、イギリスの国民食。
誕生したのは1960年代。
その名前から想像されるように、もちろんインドが起源です。
イギリスにやって来た彼らがインド料理店を始め、そこで生まれたメニューです。
誕生の地については諸説あり、ロンドン、グラスゴーなどが挙げられ、
いずれもタンドーリチキンの焼きが強いとクレームをつけたお客のために
クリーミーなトマト風味のソースに入れて作り直したら、これが好評で、評判になったというもの。
現在では、逆輸入のような形で、
ムンバイをはじめ、本国インドや世界のインド料理店でも見られるメニューとなっています。
一般的にイギリス人は食に関して冒険的ではないとされてきました。
彼らがホリディを過ごすのに大好きな場所、スペイン。
イギリス人が多いエリアでは、フィッシュ&チップスの店が多く、
そればかり食べているとまことしやかに言われていました。
では、なぜチキン・ティカ・マサラが、そんなイギリス人たちに受けたのか。
もちろんマイルドでクリーミーな味わいが彼らの舌にフィットしたことが大きいと思いますが、
同時に、社会背景もあったのではと睨んでいます。
1960年代は、女性の社会進出などもあり、社会が大きく変革しており、
特に都会ではそれまでのように家でゆっくり料理を作って食べる、ということもままならなくなり、
安くておいしいテイクアウェイ(持ち帰り)を求めていたことでしょう。
そういう世の動きともマッチしたのではないでしょうか。
前述のように、レシピはなるべく簡素化しました。
辛いのがお好みなら、マリネ液のチリパウダーを増やし、
逆に苦手なら外してください。
スパイス類、たとえばコリアンダーやカルダモンを加えると、より風味が加わります。
さらに、生のコリアンダーを粗みじん切りにして、仕上げに使うと、彩りもよくなり、おすすめです。
日本のごはんと合わせて食べてもいいのですが、
可能なら、パラパラとしたインドの米、バスマティ・ライスと合わせたい。
もちろん、ナン(・ブレッド)とも相性抜群です。

<材料(2人分)>
鶏ムネ肉(皮なし)……150g
〜マリネ液〜
無糖ヨーグルト……30g
ガラムマサラ……小さじ1/2
チリパウダー……小さじ1/8
レモン汁……小さじ1
タマネギ……1/2個
ニンニク……1/2片
ショウガ(皮なし)……5g
サラダ油……大さじ2
ガラムマサラ……大さじ1
チョップドトマト(缶)……1/2缶(200g)
無糖ヨーグルト……80g
塩……小さじ1/2
砂糖……小さじ1/2

<作り方(下準備:5分 調理:20分 煮込み:5分)>
1. ボウルにマリネ液の材料をすべてを入れ、混ぜ合わせる。



2. 鶏ムネ肉は皮を取り除き、一口大にカットする。

3. 1のマリネ液に2の鶏ムネ肉を入れ、一晩漬ける。



4. タマネギ、ニンニク、ショウガをみじん切りにする。
※フードプロセッサーで、すべてをまとめて回すと楽。


5. 鍋にサラダ油をひき、4を入れ、弱火で炒める。



6. 5の野菜がしなっとなったら、ガラムマサラを加え、香りが立つまで約1分炒める。




7. 3の一晩つけた鶏ムネ肉を加え、炒める。



8. 鶏ムネ肉の表面に火が通り、白っぽくなったら、チョップドトマト(缶)、無糖ヨーグルト、塩、砂糖を加え、軽くかき混ぜる。



9. 約5分、ヨーグルトの水気がなくなるまで煮る。



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