
2022
年11月下旬、日本初の「パネットーネ・コンテストin Japan 2022」(パネットーネ・ソサエティ主催)が行われました、

11月21日(月) 一次審査
11月24日(木) 最終審査と結果発表、(一般向け)試食販売
というスケジュールで、一次では20の、最終では7つのパネットーネを、
審査員という立場で参加しました。
一口にパネットーネといってもさまざまです。
今回のコンテストは、発祥の地、ミラノの伝統的なパネットーネ(クラッシコ・パネットーネ)を基軸としたもの。
よって、リエヴィト・マードレ(自家培養発酵種)を用いるなどの条件に満たしたものとなります。
審査結果や審査の模様は以下でどうぞ。
また、パネットーネ・コンテストの主催のパネットーネ・ソサイエティではファンおよびクリエーター会員を随時募集しています。
ご興味のある方はこちら(↓)からそどうぞ。
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去年2021年夏にスタートし、今年2022年9月に発売となった
書籍『クリスマスの発酵菓子』にて、私は、企画・構成・編集・取材・執筆を行いました(撮影、デザイン以外、ですね)
そこで、「パネットーネ・コンテストin Japan」のマエストロ・アドバイザリーでもある鈴木弥平さん(「ピアットスズキ」オーナーシェフ)を取材した際に、
「パネットーネは別においしいものではないです」とおっしゃっていたのが印象的でした。
今回の審査でも同じことをおっしゃっていて、
私のライフワークはイギリスの食で、特に伝統菓子や料理の場合に当てはまる、んですね。
材料や道具は進化していますし、私たちの生活環境や嗜好も変化する、
すると長年培われてきたものが、必ずしも現代の味覚に合うとか、というとそこは乖離が起こることは少なくない。
審査は、伝統的なパネットーネということで、その基準を満たしているかが優先されます。味が二の次というわけではありませんが、おいしさ一義ではない、ということです。
伝統菓子に限らず、ですが、評価と嗜好は違うんですよね。
私は、伝統的なイギリス菓子は日本で再現は無理だと思っていて、
それはシンプルな材料ゆえ、材料がすべて違うし、求められる味わいも違うからです。
なので、本格的、本場、と言われるものに正直首をかしげるものが多い。
ローカライズは否定しません。むしろ、そういうものだと思っています。
ただし、その場合、表面だけをなぞったり切り取ったりするわけではなく、現地を知りつつ(単にお菓子や料理だけでなく、その背景やストーリーなども)、その上でアレンジを加えるのはありだと思っています。
なので、パネットーネにおいても、そのお店ならではの哲学や思考が見えるものがあるとおもしろいと考えます。
そうなるとこれは、今回のコンテストの伝統的なパネットーネとは違う基準になり、ツイスト/個性派という枠を設けてもいいのでは、と思います。
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これをいうと驚かれることが多いのですが、イギリス、特にロンドンでは、ここ10年ほどすっかりパネットーネはクリスマス菓子の選択肢のひとつで、デパートなどではどんと陳列されています。
この動きは相変わらずの模様で、今年もパネットーネのニュースは出回り、余ったパネットーネの活用法として、ブレッド・アンド・バタープディング/フレンチトーストのレシピもよく見ます。
今や世界で親しまれているパネットーネなので、フランスやアメリカのメディアでも取り上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=nwCiW_BH3lU
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