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イギリスの食、イギリスの料理&菓子 ricorice.exblog.jp

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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex
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するする読める歴史物、つっかかって進まない歴史物_e0038047_18491328.jpg


貸し出し中だったので、先に2巻を借りてきて、ぱらっとめくったら、やっぱり読めそうにないなあ(↓)、と思ったところで、

『世に棲む日日』1巻の順番が回ってくる。

頑張って読む。
一次情報まで辿って読むのはなかなか難儀なので、翻訳してあるものに頼るわけだけど、一人の作家に拠ると、一元的になるのでいろんな作家のものを読みたい。
私の嗜好はおいておいて、広く読まれているものは読んでおきましょう、と。

なかなか骨が折れる。
私を歴史の世界に誘ってくれた親戚の若者に
「司馬遼太郎、うち、なかなか読めんのよ」と言うと、
「ああ、そうやね」と。
その理由が私が抱いていたものと同じで、そうなんだなぁ、と少し安心。

史実、的なものを題材に小説にしたものでも松本清張はするするぐいぐい読めるのはなんでだろう?
って考えてて、構成とか文体とかがしっくり来る、んだろうけど、
私は『ベルサイユのばら』(とか、あの時代のああいうの)も読んでないので、歴史の表舞台のヒーロー/ヒロインが登場する大河ロマン的なものよりも、この人が描かなかったら忘れ去れたかもしれない市井の人、ひとりの人間の、泥臭いドラマを辿る方が好きなんだろうな。


# by ricoricex | 2024-09-11 00:00 |

イギリスの食ニュース(2024年9月10日)
イギリスの食ニュース(2024年9月10日)_e0038047_16432962.jpg


<イギリス>
“100 new Little Waitrose stores are opening in the UK: full list of confirmed locations
「リトル・ウェイトローズ」、新たに100店舗オープン”


イギリスの高級スーパーマーケット「ウェイトローズ/Waitrose」、系列の高級デパート「ジョン・ルイス/John Lewis」、このニュースでも見たように(↓)、ここに来て好調なのかな?
https://ricorice.exblog.jp/32727625/

「リトル・ウェイトローズ/Little Waitrose」は文字とおり、「ウェイトローズ」の小さな店舗で、日本でいうとコンビニみたいな感じ、です。
この「リトル・ウェイトローズ」が、今後5年間でイギリス全土に新しく100店舗をオープンする計画、だとか。
こんなにたくさん、ってことは、ガソリンスタンドに併設するタイプが多い、のかな?


“Why do alcohol and caffeine make us feel worse as we get older?
歳をとるにつれ、アルコールとカフェインを摂取できないようになるのはなぜか?”


前提として、過度の飲酒はの年齢でもよくない、とし、
・肝臓の代謝効率の低下
・筋肉の減少が脱水症状と二日酔いを引き起こす
・睡眠を妨げる
・胃が若い頃ほど丈夫ではない
・遺伝
などがその理由。
また、性別や体組成の違い、喫煙や食事などカフェイン代謝に影響を与える行動的要因もあるとか。
体重との関連もあり、太っている人の方がカフェインに耐性がある、ってのは知らなかったなぁ。


<日本>
“百貨店の戦略に全力で乗った結果、英国展が「日本にデカいシノギがあると聞いて一流スコーン職人が自慢のスコーンを引っ提げカチコミに来る英国コミケ」になっている予感がする”
。。。
私も、イギリスの焼き菓子のお店、やろうかな〜。


tue 10/09/24

# by ricoricex | 2024-09-10 12:00 | イギリスの食ニュース・まとめ

『こわれゆく女』(35mmフィルム)_e0038047_12243720.jpg


『こわれゆく女』 (1974年/ジョン・カサヴェテス監督)
@ 秋葉原UDXシアター(東京)
映写技師が企画監修する35mmフィルム上映
https://filmza35mm-1.peatix.com


初めて観たのは30年ほど前、シネヴィヴァン六本木で。
このときが初めてじゃなかったかな、ジョン・カサヴェテスがまとめて6本とかかかったのは。
去年、渋谷のイメージフォーラムで特集上映があり、2回観に行った(どちらも2本のうち1本は、『こわれゆく女』)


イメージフォーラムのときと印象が違う。脳(と体)の受け止め方が異なる、というか。
最初に感じたのは音。そして映像。光のニュアンスや質感が、ひとつひとつが際立っているのではなく、すべてがひとつになっている感じ。
歪みもノイズも(実際にあるわけではありません)、まるっとあって、
なんだろうなぁ、奥行きというか、デジタルの0 1に置き換えようとするとこぼれてしまうものは、やっぱりあるのかもしれない。
(CDをカセットテープに録って聞いたとき、ヴァイナル(レコード)と全然違って、のっぺりして、作品、というのより、モノ、と感じたのを思い出した)

『こわれゆく女』はねぇ、もう、どうしようもないですねぇ。
私の心の奥底のやわらかいところに、私自身が意識してなかったところまで、どんどん入り込む。

今回、まるっとすべてを受け止めた感じだったので、
メインキャスト以外のキャラクターや背景なども、そのまま私の中に入ってくる。
メインキャストも背中や遠くにいる姿からも、ひしひしとどどんと伝わってくる。

これは、熱量、なのかもなぁ。
そう考えると、シナリオや構図や方法論や、映画を映画たらしめるものがいろいろあるけれど、でも、これを作る!という意思なのかもしれない。
この映画はメインストリームじゃ作れないだろうし、資金集めも苦労しただろうし(この内容で、企画を説明するのも、通すのも、相当むずかしいだろう)、
だからこそ、熱量がどうしても溢れて、スクリーンの向こうににじむ、のかもしれない。

あっ、私は何がなんでもアナログがいいとは思っていないですよ、
ただ、向き/不向きがあって、こういうパーソナルな感じの映画はアナログが適している、んだと思う。
いわゆる大作は、高品質デジタル、だろうなぁ。

『こわれゆく女』(35mmフィルム)_e0038047_12244009.jpg
ロビーでは映写機が展示され、幕間にはデモ映写も行われ、
35mmの映画上映を企画なさったFILM 座の映写技師の方やスタッフの方とも話ができ、
不思議だったのは、なぜ『こわれゆく女』を選んだのか、これも質問して、答えてもらって。

これが第1回で、次回以降は不明。
また、そして定期的にやってほしい。
(『FILM座通信』みたいな小冊子、作りたいなぁ)
『こわれゆく女』(35mmフィルム)_e0038047_12244292.jpg


あっ、そうそう。
映画前にかかっていたのはスミスの「There’s a Light That Never Goes Out」。
映写技師の方はスミスTシャツだった、な。
そして、映画上映直前は「You'll Never Walk Alone」。
そうだよなぁ、今や真っ先に言われるのは、リヴァプールFCのサポーターソング、だよなぁ(セルティックFC、もだけどね)

この映画上映の告知を私が知ったのは、6月だったか。
そして先月、訃報が伝えられ、
思いがけず、追悼・ジーナ・ローランズになっちゃったな。

I didn’t do anything wrong?

ジーナ・ローランズ、すさまじいですよ。
奇蹟のような演技、奇蹟のような作品、です。


sun 08/09/24

# by ricoricex | 2024-09-10 00:00 | 映画

イギリスの食ニュース(2024年9月9日)
イギリスの食ニュース(2024年9月9日)_e0038047_17055724.jpg


<イギリス>
“US fast food chain with drinks ‘better than Starbucks’ unveils brand new menu for UK
‘スターバックスよりおいしい’ドリンクを提供する米ファストフードチェーン、英国で新メニュー発表”


どこだろう、と思ったら、「ダンキンドーナツ/Dunkin'」
日本からは撤退したので、数えるほどしか食べたことありませんが、
今、イギリスでは28店舗を展開していて、2025年までに店舗数を倍増させる拡張計画があるみたいですね〜。

で、この秋のメニューには、ファンの多いパンプキンスパイスラテや、まったく新しい抹茶ピスタチオラテなど、アイスでもホットでも登場する、と。
パンプキンスパイスラテ、ほんと、好きだな〜。
そして、冷たいドリンクも、だし、抹茶(matcha)も(↓)普及したな〜。
https://ricorice.exblog.jp/32689993/


“Drinking wine to 5: Dolly Parton launches prosecco and rosé range in UK
ドリー・パートンがプロセッコとロゼワインをイギリスで販売”


展開されるのは、カジュアルスーパーマーケットの「アズダ/Asda」
プロセッコは£11、ロゼは£9.50、と、お財布のやさしいお手頃価格。

オリジナル記事でも触れているように、有名人のワインビジネスで、最近話題になったのは、カイリー・ミノーグ。
そういえば、昨秋、スーパーマーケットのワイン売り場で見たなぁ。
でもって、カイリー・ミノーグ、もだけど、ドリー・パートン、ってイギリスで人気が高い、気がします。


<日本>
“「オーブリー・ビアズリー展」(仮称)”
https://mimt.jp/blog/museum/12663/

来年、2025年2月15日(土)~2025年5月11日(日)
三菱一号館美術館(東京)
で、V&A/ヴィクトリア&アルバート・ミュージアムとの共同企画で開催されるんですね。

先日、北九州市漫画ミュージアムを訪ねた際に(目的はくらもちふさこ展)、山岸凉子の短編を読み耽ったところ
(山岸涼子の短編はすごい!)。

山岸涼子の画は、ビアズリーを想起させるんですよね〜。


mon 09/09/24

# by ricoricex | 2024-09-09 12:00 | イギリスの食ニュース・まとめ

今、改めて、ガストロパブを確認する_e0038047_22154697.jpg

先日、『Evening Standard』による“ロンドンのガストロパブ50選”(↓)にふれ、
https://ricorice.exblog.jp/32631286/
(オリジナル記事はこちら(↓))

イギリスの友人がプリント版『Evening Standard』を送ってくれて、
ウェブとプリントを比べてみたりして(↓)、

今一度、と改めて読み直した本の名は『The Gastro Pub Cookbook』。
トップの写真のもので、初版は2003年。私が買ったのは、2000年代後半、だったかと思います。


当時の私はガストロパブ、という言葉は知っていたものの、そこまで店舗も多くなく、
パブは本当に飲むところ、もしくは地方だとファミレス的なスポット、という認識で、
確かにおいしいところもあったけれど、家庭料理の延長のコンフォートフード、って感じでガストロノミーとは結びつかず、どうにもうまくイメージできなかったから、それでこの本を買ったんですよね。

今、改めて、ガストロパブを確認する_e0038047_22210339.jpg

今、改めて、ガストロパブを確認する_e0038047_22222609.jpg

ガストロパブの始まりは1991年、ロンドンの「The Eagle」から
(こちらでも触れてます(↓))。
https://ricorice.exblog.jp/32631286/

『The Gastro Pub Cookbook』は、イギリスの150のガストロパブと、cookbookとあるようにレシピを紹介した内容で、
読み直すと、当然、それにも言及してあり、そしていかに広まったか、どういう立ち位置なのか、なども記してあり、ああ、そうだったな、そういうことか、と再確認。
今、改めて、ガストロパブを確認する_e0038047_22204605.jpg

そして、思い出しました。
私は、『The Gastro Pub Cookbook』によって、
その視覚情報によって、ガストロパブとはこういうものなのか、というのがわかった、ってことを。

料理もインテリアも、シンプルナチュラル、なんですね。
今のイギリスのパブは、いかにも古いところ、それがウリのところ、以外は、
ガストロパブの影響でしょう、そのことで料理もいいんだよ!と暗黙のうちにアピールしてるのでしょう、ウッディでナチュラルな感じ、なんですよね。
かつて(20世紀。。。)のキャトルセゾンとか私の部屋とかのカントリー、っぽい、というか。
日本で、今もってパブとしてイメージされる厚手の擦り切れた絨毯、飴色の重厚そうな家具、とかではないんですよね。

イギリス料理の伝統を踏まえた上で、シンプルでナチュラルなものを打ち出したモダンブリティッシュもガストロパブと同時期ですから、容れ物(パブかレストランか)の違いで、同じ文脈から誕生したんだなぁ、というのがよくわかります。
ちなみに、1994年にオープンしたモダンブリティッシュの旗手「St John」はこんなお店です(↓)。
https://ricorice.exblog.jp/32687084/
https://ricorice.exblog.jp/27084901/


私は音楽が好きで(オタク/アノラックとも言う)、かねがね一世代を経て、俯瞰で眺められ相対的に評価できるなぁ、と思っていて、
今なら1990年代、Oasisをはじめブリットポップのバンドの再結成や再評価、ってのもわかる気がするのです。

同じことは他のジャンルでも言え、食の世界でも、ガストロパブとかモダンブリティッシュとかの新しい概念の料理/飲食店は、今、見直すと、そのときの潮流や現在までの動きがよくわかるなぁ、と感じます。

# by ricoricex | 2024-09-09 00:00 |