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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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<   2013年 07月 ( 31 )   > この月の画像一覧



e0038047_13354742.jpg7月11日(木)&12日(金)、1泊2日で長崎県平戸を訪ねました。
目的のひとつは、2013年は、平戸英国商館設置400周年を記念し、
25の飲食店がイギリスにちなんだメニューを提供する、
“イギリスを味わう”が行われているので、実際に見て食べること。
その内容については、以下をご覧ください。
概要はこちら→http://ricorice.exblog.jp/20807433/
フードメニューはこちら→http://ricorice.exblog.jp/20820707/
お菓子はこちら→http://ricorice.exblog.jp/20833975/

もうひとつの目的は、平戸ならではの伝統菓子を訪ねること。
平戸には、ポルトガルやスペインから伝わった南蛮菓子がベースとなっているお菓子が多く、
弘化2(1845)年、平戸藩松浦氏により記録された『百菓之図』には、
百種類のお菓子のイラストと製法が記され、
江戸時代に花開いた豊かな菓子文化を今に伝えています。
そしてそれらは今も残っているのです。

e0038047_13395989.jpg前回は、卵黄に浸したカステラを蜜に漬け、砂糖をまぶした「カスドース」、
前々回は、ツツジ型のカステラ生地に練りあんが入った「花かすていら」を
ご紹介しました。
(写真は「カスドース」)

今回、レポートするのは「牛蒡餅」です。
このお菓子の歴史は古く、
16世紀に中国の貿易商人からその製法を学んだと伝えられています。
「牛蒡餅」とはいうものの、ゴボウは入っておらず、原料は米粉と砂糖のみ。
シンプルで素朴な味わいのお菓子です。
名前の由来は、昔は砂糖は黒糖を使い、
長いままの状態で茶席に出し、切って供しており、
その見た目と色がゴボウに似ていたからとされています。

「牛蒡餅」はいくつかのお店で製造販売されており、
今回、購入したのは2軒。
牛蒡餅本舗 熊屋(以下、熊屋)さんと平戸蔦屋(以下、蔦屋)さんのものです。

e0038047_11341013.jpge0038047_11342615.jpge0038047_11335475.jpg熊屋さんの「牛蒡餅」は、みっちりした生地で、
しっかりとした弾力がありますが、もっちりと引きが強いわけではありません。
甘さはきっぱりとしています。
味は5種類。写真左から、抹茶、浜塩。桜味。白砂糖、黒砂糖。
5種類まとめて竹皮に包んだタイプが売られており、
ちょっとした手みやげにもよさそうです。





e0038047_11351155.jpge0038047_11352672.jpg蔦屋さんの「牛蒡餅」は、
ぱっと見、もちもちして甘みもありそうですが、
生地はそこまで密度がなく、比較的歯切れがよい。
甘さは上品です。
どちらのお店のものも、上にケシの実が散らしてあり、
ほのかな風味と食感があり、
シンプルなお菓子ながら食べ飽きません。

この「牛蒡餅」、前述の『百菓之図』にはその名前は出て来ていませんが、
同書に登場する「山椒羹」だと考えられています。
また、「牛蒡餅」の名前は、寛永20(1643)年に著された『料理物語』を筆頭に、
江戸時代の料理書に登場します。
この「牛蒡餅」にはゴボウが入り、
煮てすりおろしたゴボウ、米粉、砂糖をこねて生地とし、
ゆでたあとにゴマ油で揚げ、砂糖や砂糖蜜をからませたもの
(生地に卵が入り、ゆでずにそのまま揚げるものも)で、
16世紀にポルトガルから伝わった「ひりょうず(フィリョーシュ)」との
関連の可能性もあるようです。

そこで思い出したのが、イギリスの定番菓子のひとつ、キャロットケーキ
今でこそ、お菓子に野菜と言うと、ニンジンぐらいしかぱっと思い浮かびませんが、
その昔はビートやパースニップといった根菜が
お菓子にも使われていました。
砂糖が高級だったので、自然な甘さがある根菜が使われていたのでは、
と睨んでいますが、
「牛蒡餅」のゴボウも同じ理由かしら?
ポルトガル伝来とすれば、根菜を使うことを含めて伝わったのかしら?

次回も引き続き、平戸のお菓子をご紹介したいと思います。

**********
【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

thu&fri 11&12/07/13



・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。
by ricoricex | 2013-07-31 00:00 | シュガーロード/長崎街道

ベッドフォードシャーとはどういうエリアか。
豪華なステイトリーホーム(一般公開されているカントリーハウス)、
ゆったりと時間が流れるような小さな村から、
ロンドン近郊のアトラクションとしてポピュラーなウィップスネイド動物園まで、
さまざまな表情をもつ。
そんな中で、とりわけ人気が高いのが、
ウォバーン・アビー(ベッドフォード公爵のカントリーハウス)と
レスト・パーク(いわゆるピクニックができるようなのんびりとしたところではなく、
イギリスの庭園の歴史を語るのに欠かせない、いわば文化遺産といえる歴史的公園)。
どちらも美しい庭園に歴史的至宝を兼ね備えた場所で、
貴族の暮らしというものをまざまざと体感することができる。

ウォバーン・アビーは、もともとは1145年、
シトー修道会の僧侶のために開設されたウォバーン修道院で、
1547年、ヘンリー8世より、この修道院がラッセル卿に与えられたものだ。
1550年にはベッドフォード公爵に命じられた。

これら、カントリーハウスの瀟洒な建物、そしてエリアを流れるグレートウーズ川は、
ベッドフォードの町に独特の趣を与える。
この地域は、グレートウーズ川を利用した物流の拠点となり、17世紀後半から隆盛を迎える。
19世紀後半からは、より間口を広げたパブリックスクールが普及し、
その結果、この地に住居を構える人が増えることとなった。
この伝統的なパブリックスクール教育は、今もこの町で行われている。

ベッドフォードは、川が交わる場所を意味するBed's Fordに由来し、
その名称が初めて登場するのは、1011年。
当時はBedanfordscirと綴られていた。

ベッドフォードはジョン・バニヤン(17世紀のイギリスの教役者、文学者。
世界で最も多く読まれた宗教の寓話物語『天路歴程』の著書で知られる)
ゆかりの地でもある。
というのも、ジョン・バニヤンは、
ベッドフォードのバプテスト教会に入り、グレートウーズ川で洗礼を受け、
ベッドフォード教会の牧師になった人物だからである。
(・・続 く・・)

**********
前回の“イギリスの地方料理 バッキンガムシャー、ベッドフォートシャー、ハートフォードシャー 01”はこちら(↓)
http://ricorice.exblog.jp/20815036/
これまでの、“イギリスの地方料理 ロンドン
イギリスの地方料理 バークシャー”はこちら(↓)
http://ricorice.exblog.jp/i28/



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by ricoricex | 2013-07-30 00:00 | イギリスの地方料理

現在、私が住んでいる福岡は、
今年は早くに梅雨明して以降、うんざりするほど暑い日が続いています。
日中はできるだけ外に出たくない。
今年、2013年のイギリスも暑いようですが、
よほどの日を除いては、外での食事は爽やかで楽しい。

そんなわけで、イギリスのレストランガイド、
The Good Food Guideの7月24日付けの記事で、
イギリスで屋外が気持ちよいレストラン・トップ10
を紹介していました。
Al fresco dining 〜10 spots to embrace the British summer and go al fresco
選ばれたレストランは以下の通りです(順不同)。

01. The River Café(ロンドン)
02. Coq d'Argent(ロンドン)
03. The Gun(ロンドン)
04. Boulters Riverside Brasserie(バークシャー)
05. Alfresco(セント・アイヴス、コーンウォール)
06. The Vineyard Café(デヴォン)
07. Branca(オックスフォード)
08. The White Horse(ノーフォーク)
09. The Old Coastguard(コーンウォール)
10. The Oyster Box(ジャージー島)

それぞれの店のウェブサイトを眺めているだけで、
しばし涼しげな気分に浸れます。




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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2013-07-29 00:00 | 順位&セレクト(イギリスの店)

働き始め、自分で稼いだお金をなんとかやりくりしながら
背伸びした場所で外食し始めたのは、今から20年以上前。
今でこそビストロをはじめ、普段着で行ける店が多くありますが、
当時、フランス料理はまだまだ高嶺の花でした。
それでも、四谷三丁目(東京)のパザパなど、ビストロ系の店が少しずつ増えていた時期で、
レストランガイドの編集(取材はほとんどしていない)をしていたこともあり、
気になるお店に、そうそう頻繁には行けなかったけれど、
いそいそと出かけていました。

好き、であり、同時に、好奇心が強いわけですが、
当時、編集プロダクション(出版編集の制作会社)にいて、馬車馬のように働いていて、
それでもときどき時間を作って、こういう場所に行っていたことで、
あるいは精神の均衡を保っていたのかもしれません。

その頃、こういった私の行動はバカ呼ばわりされていて、
先行投資と言うと呆れられていましたが、
のちに食の専門の雑誌や書籍でも仕事をするようになり
(当時は、ぼんやりとやりたいなぁと思っていた程度)、
そういう経験は多かれ少なかれ役に立っているわけですから、
人生は不思議です。

東京・六本木のフレンチレストラン、トレフ ミヤモトは、
私が食の専門誌や書籍で仕事をするようになってしばらくして、
取材する機会をいただきました。
レストラン・ケータリングの特集で、
取材は終日だったのですが、なんせ先方の仕事に密着、
といった形でしたので、
可能なときに行って話をきき、を細切れにするやり方でした。

その数カ月後、今度は、日本のフランス料理の歴史を振り返る
という雑誌の企画で、再度取材する機会をいただきました。
そのときは、シェフが座ってちゃんと話をする時間を作ってくださったので、
じっくり取材ができ、同時に、脱線したというわけではないのですが
(私自身は、一見関係のないスモールトークも
 その人となりやお店を深く理解するのに実は大事と思っているのですが)、
ちょうどリリー・フランキーさんの『東京タワー』が
ベストセラーになっていた時期で、それに端を発し、
話は、炭坑町のお昼の時刻を告げるのは発破をかける音、になり
福岡は筑豊・飯塚出身のシェフと、山口のかつての炭坑町出身の私とで、
そうでしたね!という話をして盛り上がったのです
(このとき、出版社の担当編集者の方もいらしたのですが、
 こういうことを背景として持っている人間の方が少数なわけですから、
 この人たちは何を喋っているんだろうといった感じになってしまって(笑))。

まあ、だから、というわけではないのですが、
勝手に身びいきみたいな気持ちになり(笑)、
同時に、概して、現在50〜60代の方が作るフランス料理(お菓子も、か)が
私が立ち返るところだと感じていることもあり、
常に気になりつつも、もはや私が東京に住んでいないので、
なかなか出かけられずにいました。

先日、やっと訪問。
直前の予約だったにもかかわらず、快く受け入れてくださって深く感謝します。

トレフ・ミヤモトの料理やお店については、
今さら詳しく述べる必要はないと思いますが、
数年ぶりに食事をして驚いたのが、そのフレッシュ感。
料理がとても若々しいことでした。
それでいて、しっかりとした余韻がある。
フランス料理の神髄はソース、
もっといえばフォンであることを痛感させられたのです。

ヌーヴェル・キュイジーヌが言われて久しく、
エル・ブジ(現在は閉店)に代表される分子ガストロノミー(分子調理法)、
近年ではノマのような新しい地産地消スタイルなどの影響もあり、
若いシェフが作る、素材感をぐっと前面に出した
新感覚のフランス料理ももちろん楽しい。

でも、長いキャリアのあるシェフの料理は、軽さがあっても、そこに深みがあるのです。
具体的にそれを作り出しているのはソースでありフォンと言っていいでしょう。
フォンをきちんととるのは、はっきり言って手間です。
毎日のこととなると、気の遠くなるような、日々の厨房での仕事の繰り返しです。
個人的には、フランス料理は、原価もさることながら、その手間を考えると、
もう少し価格が高くてもいいのではないかと思っています。

そして、こういうレストランで食事をすると、
豊かな気持ちになるのです。
これが文化、というものかもしれない。
料理もそうですが、日常では得られない
こういう時間のためにお金を払っているのかもしれないなぁと思うのです。

sat 20/07/13



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by ricoricex | 2013-07-28 00:00 | 店レポート(日本)

e0038047_216529.jpg長崎県平戸を訪ねたのは、7月11日(木)&12日(金)。
イギリスの食を追求している私にとって、
平戸英国商館設置400周年を記念したイベントのひとつ、
イギリスにちなんだメニューを地元の飲食店が提供する、
“イギリスを味わう”を見て食べることが大きな目的のひとつ。
その内容については、以下をご覧ください。
概要はこちら→http://ricorice.exblog.jp/20807433/
フードメニューはこちら→http://ricorice.exblog.jp/20820707/
お菓子はこちら→http://ricorice.exblog.jp/20833975/

そして、もうひとつの目的は平戸ならではの伝統菓子に合うこと。
ポルトガルやスペインから伝わった南蛮菓子がベースとなっている菓子が
平戸には多く、
弘化2(1845)年、平戸藩松浦氏により記録された『百菓之図』には、
e0038047_2174993.jpg百種類のお菓子のイラストと製法が記されているほどで、
江戸時代に、いかに豊かな菓子文化が開花していたかを物語っています。
そして、それは今でもしっかりと残っているのです。

前回、ご紹介したのは、カステラ生地に練りあんが入った「花かすていら」。
ツツジの形もかわいらしいお菓子です。

今回取り上げるのは、平戸を代表する銘菓「カスドース」です。
鮮やかな黄金色と濃厚な甘さが特徴の伝統菓子です。
伝来当時は、砂糖も卵も高級品で、
しかも、“お留め菓子”と呼ばれ、平戸藩以外は禁制が敷かれたほか、
藩の茶点もしくは献上のためだけに作られた、まさしくお殿様のお菓子です。
ですから、明治期に入るまでは庶民の口に入ることはなかったようです。

現在のカスドースは、カステラを卵黄にくぐらせ、煮立てた糖蜜につけ
(中まではしみ込ませない)、
グラニュー糖をまぶして作られますが、
もともとは、仕上げにグラニュー糖ではなく白砂糖が使われていたようです。
そして、「カスドース」は江戸時代には干菓子と分類されていましたので、
もしかしたら、現在のものと「カスドース」本体のテキスチャーが違ったのか、
干菓子の定義が違ったのか、気になるところです。

この「カスドース」、以下の2軒で購入しました。
平戸蔦屋(以下、蔦屋)さんと湖月堂老舗(こげつどうろうほ 以下、湖月堂)さんで、
湖月堂さんの「カスドース」は、平戸物産館で販売されています。

e0038047_1128557.jpge0038047_11285352.jpge0038047_11291766.jpg蔦屋さんの「カスドース」は、輝くような鮮やかな黄色です。
口に含むとしっかりと甘く、豊かな余韻があとを引きます。
カステラ生地はピンとしています。
大きさは5.0×3.2×高さ2.6cmほど。
イタリアンローストでしっかり濃く淹れたエスプレッソや、
抹茶、そしてブランデーにも合いそうです。






e0038047_1130544.jpge0038047_1130037.jpge0038047_11301743.jpg一方、湖月堂さんの「カスドース」は、
見た目、黄色がやや淡い。
カステラの乾燥具合は、こちらの方が大きく、歯切れがよい。
こちらも、もちろん甘味はしっかりありますが、
蔦屋さんのそれに比べると、そこまでの引きはない。
大きさは5.7×3.4×高さ1.8cmほど。
コーヒーを合わせるならフルシティロースト(アイスコーヒーと同程度の焙煎度)、
炭火焼コーヒーがよさそうです。

「カスドース」は、卵、特に卵黄と砂糖をたっぷり使う
ポルトガル菓子の特徴を満たしており、
江戸時代の文献からも、ポルトガルにルーツをもつお菓子です。
前述の、弘化2(1845)年の『百菓之図』より以前に
すでに伝えられていたこともわかっています。

「カスドース」の名前の由来については、カステラの“カス“と
ポルトガル語で甘いを意味する“ドース“(Doce、ポルトガル風に読めばドーチェ)が
合わさってできたとされています。

さらにカステラの語源については、
スペインの地方、カスティーリャのポルトガル風の読み方“カステーラ”から、
“カステロ”(castelo、城の意)のように高くなるよう願いを込められた、
といった説があります。

まあ、素人(筆者のこと)というものは、突拍子もないことを突然ひらめくわけで、
カステラ、ひいては、カスドースのカスは、
いずれも卵黄をたくさん使うという共通項から、
カスタードのカスと語源は一緒ということはないだろうか、と
(casとcusで綴りは異なりますが)。

調べている範疇では出くわしていませんが、
カスは、卵黄(もしくは卵)を意味するのではあるまいか。
地動説が浸透していなければ、テラを地球(terra)と捉えることは可能ではないか、と。
地球は球体でないと考えられていたわけですし、
カステラの母体とされるポストガル菓子、パン・デ・ローは
円型の型で焼かれているので、
カステラ=卵黄の地球という解釈できるのではないか、と思うのです。

では、カスタードでは?
接尾辞となるタード、英語だと???ですが、
ぱっと思い出されるのが、
ロマン諸語(ラテン語を起源とする言語)であるフランス語のtard。
ただ、この場合、“遅い”を意味するので、関連性が希薄です。
仮説を立てたはいいのですが、立証するのはいささかむずかしそうです。

話が逸れました。
次回も引き続き、平戸の伝統菓子をご紹介したいと思います。

**********
【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

thu&fri 11&12/07/13



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by ricoricex | 2013-07-27 00:00 | シュガーロード/長崎街道

e0038047_8254873.jpg7月11日(木)&12日(金)、1泊2日で長崎県平戸を訪ねた目的は、
2013年は、平戸英国商館設置400周年を記念し、さまざまなイベントが行われており、
そのひとつの飲食店がイギリスにちなんだメニューを提供する、
“イギリスを味わう”を、実際に見て食べること。
その内容については、以下をご覧ください。
概要はこちら→http://ricorice.exblog.jp/20807433/
フードメニューはこちら→http://ricorice.exblog.jp/20820707/
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今回からは、もうひとつの目的であった、
平戸ならではの伝統菓子をご紹介したいと思います。

e0038047_8274545.jpg平戸は初めてポルトガル船が来航した1550年以降、
オランダ船、イギリス船が入港。
鎖国体制が敷かれるまで、大きな賑わいを見せた日本最大の国際貿易港です。
なかでも、人々の心をとらえたのが、
ポルトガル、スペインから伝わったお菓子。
これらは南蛮菓子と呼ばれ、平戸に豊かな菓子文化をもたらしました。
そしてこの独自の菓子文化は、今も平戸に息づいています。

そんな南蛮菓子の影響を受けたお菓子はいくつもあり、
そのひとつが「花かすていら」。
「花かすていら」の定義は、カステラ生地にあんを入れ、花型で焼いたもの。
江戸時代に日本で供されたオランダ料理の宴でも
「カステラブロート」の名でよく登場したお菓子のようです。
ちなみに花は、ツツジをかたどったものです。

いくつかのお店で「花かすていら」を製造販売しており、
今回、購入したのは2軒。
平戸蔦屋(以下、蔦屋)さんと菓子処 津乃上(以下、津乃上)さんのもので、
どちらも直径6cmほどの大きさです。

e0038047_17194373.jpge0038047_1720233.jpge0038047_17205548.jpg蔦屋さんの「花かすていら」は、まずはその形がきれい。
カステラ生地の水分が比較的少ないことと関連しているのでしょう。
生地はほんのり、あくまでほのかなシナモン風味で、
どことなくエキゾチックな趣です。
こしあんは、さらりとしたくちどけの上品な甘さ。







e0038047_17204733.jpge0038047_17205932.jpge0038047_17215650.jpg津乃上さんの「花かすていら」は、生地はしっとりめ。
餡は、生地に比べるとしっかりとした引きのある味です。
こちらは、どちらかというと、
気取りがなく親しみやすい味わいです。

平戸市は人口3万5000人ほどの小さな町です。
しかしながら、町を歩くと、ちょくちょくお菓子屋さんに出くわします。
きちんと統計上で出ているわけでありませんが、
人口の割にお菓子屋さんが多いのは間違いないようです。

江戸時代、弘化2(1845)年には、平戸藩松浦氏により『百菓之図』が記録され、
タイトル通り、百種類のお菓子のイラストと製法が記されています。
中では、「花かすていら」についても記載されています。
次回も引き続き、『百菓之図』にも登場する伝統菓子をご紹介したいと思います。

**********
【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

thu&fri 11&12/07/13



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by ricoricex | 2013-07-26 00:00 | シュガーロード/長崎街道

7月22日、ウィリアム王子とキャサリン妃の間に
待望の男の子が誕生し、祝賀ムードでいっぱいのイギリスです。

e0038047_782137.jpgイギリスのお祝いで欠かせないアイテムのひとつがバンチング。
紙もの 01”でもご紹介したように、
三角形の旗が紐状のものにつなげられたもので、
屋内でも屋外で飾られます。

2012年初夏のイギリス訪問は、
ダイヤモンド・ジュビリーとオリンピックの狭間で、
お祝いムードであふれていたロンドン。
そのせいか、そういったアイテムもよく目にしました。
e0038047_122518.jpg

スーパーマーケット、マークス&スペンサーで手に入れたのは、
ストリートパーティ(かな?)のイラストのバンチング。
紙ナプキン 03”と同じイラストのシリーズです。
バンチングそのものは、王道のユニオンジャック。
こういうのは眺めているだけで、気分が高揚しますね。

wed 27/06/12




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by ricoricex | 2013-07-25 00:00 | 買ったもの

7月22日、イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃の間に
待望の男の子が誕生しました。
しばらくは祝賀ムードで賑わうことでしょう。

e0038047_8542823.jpgそれにしても、ここ数年、イギリスでは、
ウィリアム王子とキャサリン妃の婚約、そしてご成婚、
エリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリー(即位60周年)、
ロンドン・オリンピック、
アンディ・マリーが77年ぶりにイギリス人としてウインブルドン優勝、
エリザベス女王のコロネーション(戴冠60周年)、
そして、ロイヤルベイビーの誕生とおめでたいことが続いています。

おめでたい場といえば、シャンパーニュ、と相場が決まっていますが、
せっかくですから、イギリスのスパークリングワインでお祝いしたい。
少しずつ認知されてきましたが、
イングランド(南部)はスパークリングワインの銘醸地です。
というのも、土壌がフランスのシャンパーニュ地方と同じ石灰質の土壌を有し、
地球温暖化の影響で、ワイン用ブドウを栽培するに適した気候になった
背景が大きい。

また、そもそもシャンパーニュ製法は、
シャンパーニュが先かイングランドが先か論争もあるほどで、
もともとワインは造っていた土地。
11世紀にはワイナリーが存在していたという記録もあります。
ところが、宗教改革などにより、ワイン造りは産業とまでいかなかったのが、
1990年代から本格的に取り組み、流通させるところが増えてきました。
e0038047_2334191.jpg

そんなイングランドのスパークリングワインの2大巨頭といえば、
リッジビューナイティンバー
とりわけ、リッジビューはワイナリーを訪問したこともあり
(現在は一般に公開していません)、
もちろんワインの質も、ですが、対応がとてもよく、気に入った次第。

リッジビューが、私にとって初イングリッシュ・スパークリングワインで、
凛として品のある佇まい、
そして、同じ製法ながら、シャンパーニュ特有のイースト香がなく
(私は、このイースト香が得意でないのです)、
ほかに数軒ワイナリーを回り、
もちろんワイナリーや使用するブドウの個性はあるものの、
おしなべて上記の印象で、
すっかりイングリッシュ・スパークリングワインの虜になりました。

e0038047_237894.jpgリッジビューは、これまで国内外のコンテストで多くの賞を受賞しており、
なかでも話題となったのが、2010年、権威あるワイン雑誌「Decanter」で、
シャンパーニュを含む世界のスパークリングワインの最高峰に選ばれたこと。
昨年、2012年、ダイヤモンド・ジュビリーで供されたのが、
リッジビューのスパークリングワインです。

このあたり、今までも折りにふれ、語っておりますので、
よろしかったら、以下のリンクからご覧ください。
http://ricorice.exblog.jp/i9/

e0038047_237282.jpgちなみに、リッジビューは日本でも、次のお店で購入できます。
<ワイン・スタイルズ>
東京都台東区台東3-40-10 大畑ビル1F
tel: 03-3837-1313
http://www.winestyles.jp/

ワイン・スタイルさんは、先日、現地で取材を受けられ、
BBCニュースで放送されました。その様子はこちらです。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-23326517



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by ricoricex | 2013-07-24 00:00 | イングリッシュワイン

e0038047_22502375.jpg7月11日(木)&12日(金)の1泊2日で長崎県平戸を訪ねました。
今年、2013年は、平戸英国商館設置400周年を記念し、
さまざまなイベントが行われています。
食関連のものもいくつかあり、そのひとつが“イギリスを味わう”。

“イギリスを味わう”は
平戸市内の飲食店がイギリスにちなんだ料理やお菓子、飲み物を提供するもので、
実に25ものお店がイギリスに関連したメニューを展開。
“イギリスを味わう”参加店は、
店頭にペナントが提示されているので、見つけやすい。

e0038047_22505182.jpg前々回、“シュガーロード ~平戸英国商館設置400周年 01~”では
イベントの概要を、
前回、“シュガーロード ~平戸英国商館設置400周年 02~”では
“イギリスを味わう”で提供されている、
フィッシュ&チップスなどスナック&食事をご紹介しました。
今回は、“イギリスを味わう”で食べられるお菓子を紹介します。

お菓子を提供しているのは6軒。
うち1軒は、ウォーカーズ(ショートブレッドで知られる、
スコットランドのビスケットメーカー。
おみやげに購入したりもらったりした人も多いと思います)を
お茶のおともとして提供。
あとの5軒が、自家製のイギリスをテーマにしたお菓子を提供しています。
イギリスのお菓子となると、スコーンが圧倒的に多いかと思いきや、
スコーンを提供しているのは1軒。
あとの4軒は、アップル・クランブル、アップル・クランブル・ケーキ、フルーツケーキ、
そしてカステラと、バラエティ豊か。
クランブルとは、ほろほろの生地を果物にのせて焼くデザート菓子。
 参考までにこちらを(→)。 http://ricorice.exblog.jp/17435803/

e0038047_2252142.jpge0038047_2251378.jpge0038047_2252111.jpg平戸の郷土菓子として名高いカスドースで製造販売をしている平戸蔦屋さんの
イギリスをモチーフとしたお菓子は、ANJINカステラ。
というのも、平戸蔦屋さんは
ウィリアム・アダムス(三浦按針)の居宅があったといわれる場所にあるから。
フィナンシェのように見えますが、そこはカステラ。
しっとりとした食感で、上品な甘さがあります。




e0038047_2253048.jpge0038047_22533129.jpge0038047_22534866.jpge0038047_22535127.jpgフルーツケーキを提供しているのは、牛蒡餅本舗 熊屋さん。
直径10.5cm、高さ2.5cmほどの円形のホールケーキです。
フルーツケーキとあるので、ラム酒がきいたレーズンなどがぎっしり入った、
ずっしりと重いパウンドケーキを想像していたら、
非常にしっとりとした生地で、ラム酒もおだやかです。
ずっしりとしたフルーツケーキの場合、
ケーキにフルーツががっしり混じり合っているのですが、
こちらのフルーツケーキは、やさしくおだやかな生地に、
フルーツがアクセントとして顔をのぞかせる印象。

e0038047_22541437.jpge0038047_22542850.jpge0038047_22551859.jpge0038047_2255113.jpg菓子工房 えしろさんのイギリス菓子は、アップル・クランブル・ケーキ。
ソテーしたリンゴを混ぜ込んだケーキにクラムをのせて焼いたもので、
生地はやわらかめで、上のクラムはサクサクした食感があります。
クランブルは、通常、カスタードを添えて食べることが多いのですが、
このケーキは、これで簡潔。
やさしい味わいで、子供からお年を召した方まで楽しめそうです。

もう1軒のお店でアップル・クランブルを提供しているのですが、
販売期間は4〜5月と10〜12月。
今回は、販売期間でなかったので、味わえず。
とても気になるので、秋になったら再訪しようかな。

e0038047_23105449.jpg平戸英国商館設置400周年に関する食イベント情報は今回でいったん終了です。
町を歩くと、街頭に旗がかかっていたり、
家々に日本とイギリスの国旗が飾ってあったり、
町の人々がイベントを楽しんでいる様子が感じられます。
次回からは、平戸の伝統菓子やそれに関するあれこれをご紹介します。

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【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

thu&fri 11&12/07/13



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by ricoricex | 2013-07-23 00:00 | シュガーロード/長崎街道

1杯のお茶【(a) Cuppa】


よく使う言葉は短縮され、それは英語でもおなじこと。
例えば、televisionはtelly。テリーと読みます。

cuppaも新聞や雑誌のヘッドラインなどでよく登場する言葉。
んっ、カッパ? 
これはcup of teaの略。
a cuppaで、1杯の紅茶を意味します。
e0038047_22584859.jpg

Do you fancy a cuppa?(お茶飲む?)

fancyというのもイギリス的で、
これは動詞で、likeと同じく好きを意味。

I fancy him.(彼っていい感じ)
なんて使い方もできます。



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by ricoricex | 2013-07-22 00:00 | イギリス的表現