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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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テレビとか観てると、いよいよクリスマス商戦が本格化。デパートやスーパーマーケットが大々的にコマーシャルを始めています。おおげさでお金もかかってる。マークス&スペンサーはエリザベス・ジャガーなどセレブ女性を5人、それにヒーローとしてアントニオ・バンデラスが登場し、クラシカルな映画調。ジョン・ルイスは商品を並べて、その影が女性にみえるというアイデアもの。セインズベリーはジェイミー・オリバーがにこやかに登場。テスコは再結成に合わせてスパイス・ガールズ。ヴィクトリア・ベッカムは別として他のメンバーがあぁかつての栄光っぽいのに、ジェリ・ハリウェルは相変わらずやり手っぽい空気むんむんですなぁ。
今日のメニューもクリスマスにぴったりなもの。Roast pork(ローストポーク)、Roast potatoes and parsnips(ローストポテト&パースニップ)、Forcemeat balls(ミートボール)、そしてFruit crumble(フルーツ・クランブル)。ローストポークに限らずのようですが、ロースト○○は大好物のようで、みなさん嬉々としている。かくいう私もロースト○○は好きなんですけどね。
肉と一緒にポテトを焼くのですが、肉の旨みがポテトにわたってよろしい、これも生活の知恵ですねー。もちろん部位にもよりますが、イギリスの肉は概して脂が多くなく(私は和牛とかで褒めたたえられる霜降りとか、豚肉だとかんだときにジュワーと脂が口の中に広がる感じとか、とにかく脂が多い肉が苦手なので、イギリスの肉の方が断然好み)、だからか程よく脂をキープさせ肉をぱさつかさせないために、ローストポークは豚肉の皮を巻いて焼きます。そして、この皮、ローストポークが仕上がるころにはパリッパリに。これをCrackling(クラックリング)と言い、これも食べます。脂は抜けきって、香ばしく、ビールのお供によさそーな感じ。もちろんナイフ&フォークで食べるのが本筋なんでしょうが、ナイフでそう簡単に切れないので、手で食べてもよし、みたいです。
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そしてソースが3種。Gravy sauce(グレイヴィーソース)、Apple sauce(アップルソース)とBread sauce(ブレッドソース)。ブレッドソースはスコットランドのソースのよう。余った食パンと牛乳を主に使います。お腹は膨れるけど、味は個人的にはイマイチ。グレイヴィーソースは本日はソースがひっくり返って作り直したもののでこれもイマイチ。こーゆーのって、肉から出た汁で作らないとソツがなくっておいしくないんだなぁと認識。アップルソースは豚肉によくマッチ。
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ランチの話題はクリスマスに。このエリアが中産階級のゆとりのある生活をしている白人エリアなのか、クリスマス大好きみたいで、ディナー(ランチ)パーティーをして、とかって言ってる(クリスマスランチはたいがい14:00ごろからスタートし、だらだら食べ続ける)。イギリスでもクリスマスは形骸化し、今や宗教的意味合いはほとんどなく家族の集まり的な意味合いが強い。そういう意味ではお正月に近い。私自身はお正月はかったるい部分も多く(だから東京の人の少ない清々しいお正月が好きだったりする)、だいたいおせち料理が好きではなく、お餅も好きではなく、なんで、ふーん、って感じですが。お刺身(といっても私は生物は好きではない、地元のものはさすがにウマイ!けど)バーンとか焼肉とか大皿に料理いろいろのっけてとか、カジュアルにワイワイやる分にはいいんですけどね。
C2はクリスマス前にある、この学校の1日特別教室に申し込むという。これはキジ、チキン、ターキーの3種の鳥を使う、豪華なロースト。そうそう、鳥インフルエンザがまたも大きな問題になっていて、ターキーがやばいことに。店頭であまりおかなくなっているので、クリスマス大丈夫かなぁ、とも。「鳥インフルエンザなんて、生で食べるんじゃないから、焼いちゃえば全然平気なのに。それをあんな大げさにしちゃってさ」なーんて言ってるのにはびっくりした。ほかの人がそーよねーと積極的に相づちをうったりしたわけではないので、みんながみんなそう思っているわけではないだろーけど(現にJなどはそういう問題が多発しているので、ベジタリアンではないが野菜中心の食生活)。
フルーツ・クランブルは好きなデザートのひとつ。フルーツの上にクランブルの生地をのせてオーブンで焼くだけ、というこれまた簡単なもの。フルーツはなんでもいいけれど、私自身はプラムとかクッキングアップルとか酸味の強いもので作って、カスタードをかけて食べるのが好み。このクランブルの生地も、パイ生地と同様、小麦粉にバターを入れて、指先でrubする。こういう工程がないので日本語で説明しづらいけれど、指先で小麦粉とバターを胸の高さまで持ち上げてこすり合わせながら混ぜ合わせるとでも言えばいいのかしら。
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午後はChocolate eclairs(チョコエクレア)と明日のランチ用にMarinate venison(シカのマリネのキャセロール)の仕込み。エクレアはシュークリームの一種だけど、シューはシュー生地自体は甘いわけじゃないから、中に詰め物をしてスターターとかにしてもいいわよ、と。確かに。
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by ricoricex | 2007-12-24 17:36 | 旅の記憶

Rが先週で終わったので、今日から生徒は4人。この学校、基本的に生徒は最大8人(デモンストレーションなどイベント的な催しの場合は別ですが)。でもPは6人までしかとらない、と。チューター1人、アシスタント(分量を量ったりして材料を用意したり、洗い物を手伝ったり)1人だと6人が限界で、それ以上になると目が行き届かないからだそう。確かにちょっと分かんなかったり確認をして欲しいたびに「I'm stuck!」だの「Check mine, please!」だの生徒がチューターを呼ぶ。生徒が5人だと何とか回ってるって感じだったもの。Pがチューターをしないときに、時々顔をのぞかせたりするのですが、それでややゆとりがあるなぁ、と。
今日は電子レンジを使った料理。まずは電子レンジ、マイクロウェーブとは何ぞや、その特性(熱伝導率がよい素材、よくない素材)や、料理に使うときのポイントなどのレクチャー。概して、イギリス人は料理を温める以外に電子レンジを使わないよう。なので料理の下ごしらえ、ましてや料理ができるというというのは、なんとなくおっかなびっくりなんだって。おもしろいなぁと思ったのが、一度に数枚セットして電子レンジにかけられる専用のトレイ。あとスープなどを温めるときはスープの入ったボウル、皿、スープの入ったボウル、皿と重ねていて、これは賢い!と思ってしまった。また、私はラップをかけて電子レンジに入れていましたが、思いっきり注意されました。陶製ののお皿とかボウルをふたにしなさい、と。ラップがもったいないだけでなく、プラスティックは陶器などに比べて溶解しやすく、それが体内に入るのは当然よろしくないので避けた方がいい、と。
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電子レンジを使うことに関しては、私は、ほかの生徒よりうんと使いこなしているようだけど、論理的に考えたことがなかったので、ほーお、ってこともたくさんあった。例えばマイクロウェーブの説明として車の中にいる状態を例に出したこと(車の中にいて、外から日が当たると中の温度だけは上昇し、窓は冷たいまま)とか、砂糖、脂肪、アルコールは熱を早く伝えるので、一度に長時間回さず、少しずつで様子をみるなど注意が必要とか、ね。ポイントポイントだけでなく体系立てて言われると、本当に分かりやすい。とにかく、電子レンジ然り、コースの初めの頃に食中毒などの食品がらみの病気の話、それに伴う冷蔵庫、冷凍庫の使い方など、幅が広いですぞ。
なわけで、本日のメニューはランチはPoulet au vermouth(チキンのベルガモット風味)、Couscous(クスクス)、Carottes vichy(ニンジンの付け合わせ)と、デザートにSticky Toffee Pudding(スティッキートフィープディング)。クスクス以外は電子レンジで調理。このデザートのスティッキートフィープディン、私、大好物なんです! 作り方が分かって、しかもとっても簡単で、うれしい! 蒸しパンのような食感のケーキに甘ーい、甘ーい、大甘なスティッキーでトフィーな風味のソースをかけ、さらに人によってはシングルクリームをたっぷりかけて食べる。もちろん、私もたっぷりかけて食べますとも。甘党のイギリス人ですら、甘いと思っているようで、よく嬉々として食べるわねぇ、と。
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午後はFresh ravioli dish with tomato sauce(ラビオリのトマトソース)。パスタを打ったのは初めてですが、簡単そうでむずかしいですねー。他の生徒は持ち帰り、私は夕食に。C2が抜けられない用事で午後からは帰ったので、3人で授業。人数が少ないと、いつも以上に和気あいあいとした感じ。先週『Ratatouille(レミーのおいしいレストラン)』を観に行ったんだーと言うとPe2があら、あなた理解できた?と。まあね、子供向けだし、動きもあるから、と私。Pe2は思ったことを率直に言うのです。ショックってことはないし、実際に不自由しているわけだけだし、でも聞き流さないぞ。よっしゃー、とカンフル剤になったのも事実。
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by ricoricex | 2007-12-23 17:46 | 旅の記憶

今日はPe1と会う約束の日。14:00の約束までぷらぷらしようと思っていたけれど、ほとんど回復したとはいえ、明日から授業もあるし、外は寒いし、であまり長時間の外出は避けよう。なわけで、朝はレシピの翻訳と復習です。
郵便物に混じって、ちらしが投函されるのはロンドンの街中も一緒ですが、昨日はおもしろいものが混じってました。それはmailleのマスタード。二つ折りの立派なちらしでしかも試供品付き。これは利用させていただきますわ。ところでイングリッシュマスタードとフレンチマスタードは違い、イングリッシュの方は色が黄色く辛味がストレート、フレンチはお酢が入っていてまろやか。
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イギリスの家にはやかんはなく、あるのは電気ケトル。私も自宅にはやかんはなく電気ケトルをおいていますが、人によるでしょうが私には便利でラクな代物です。そしてオーブンとレンジ。一緒になっているのもはだいたいこんな感じで、キッチンのシンクと同じ高さです。オーブンだけ、ディッシュウォッシャーや洗濯機がシステムキッチンに組み込まれているのはよく見る。そう考えると、この手の生活家電は大きさを、組み合わせやすいようにという観点でデザインされているんだと思う。水回りってことで洗濯機もキッチンにあるんだろうけど、なんだか洗濯物を取り出した途端に汚れたり匂いがつくような気がして、個人的にはあまり好きじゃないんですけどね。もちろん洗濯機置き場が別になっている家もあります。広い家だと、ユーティリティルーム(倉庫みたいな作業場)というのがあって、そこに洗濯機があったりもします。
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イギリスは紙文化の盛んなところ。本、雑誌、新聞など、かくかくしかじか批評したり編集したり。ロンドンにはフリーペーパーもたくさんあります。人の行き来の多い街角ではフリーペーパースペースが設けられ、求人や不動産などを始めとした地域情報が盛り込まれている物が多い。また新聞もタダのものがあり、朝はmetro、午後からはlondonpaper、liteなどがあり、駅にコーナーが設置あったり、街角で配っていたり。真実味に欠けることもあるようですが、コンパクトな新聞なのでいろんなことをダイジェストに知るにはもってこい。
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約束の時間の前にオックスフォード・ストリートをうろうろ。ジョン・ルイス(waitoroseと同じ系列)やセルフリッジなどのデパートのキッチン用品を眺めます。心なしかセルフリッジはやる気がないというか勢いがないというか、だらーっとしててあまりよくなかったけれど、ジョン・ルイスは相変わらず楽しい。すごく売り場が広いわけではないけれど、食器にしろ台所道具にしろ、しゃれてていいなと思うアイテムがあるのです。クリスマス商戦で、そのスペースもたくさん割いてありました。
いよいよ本腰、クリスマスディスプレイが本格化。M&S(マークスアンドスペンサー)もハビタもF&M(フォートナムアンドメイソン)もきれいにディスプレイ。この時もですが、2、3年前は本当に本当に景気がよく、10月あたりからクリスマス商戦が激化。いくらなんでもそれは早いだろう、の反省があったのかどうかは知りませんが、今年は通常に戻った感じがする、らしい。
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Pe1とは久々の再会。お茶をしにスターバックスに入る。しかし、この手のカフェチェーン、量が多い! レギュラーでゆうにラージはあるぞ。近況を話し、Pe1も12月に日本語検定の試験を受けると聞き、お互いの健闘を祈る。帰宅し、テレビを見たり、翻訳をしたり。このところiPhoneとユーロスター(駅がパディントンからセント・パンクラスに移転)のCMをよく見るなぁ。夕飯はパテ。しっかしですね、毎週たくさんのテイクアウェイで、人におすそ分けしたりするものの、なかなか減らず、せっせせっせと食べています。私はヨーロッパだろうがアジアだろうが行った土地になじむようで、日本食が恋しいということはなく(1年ちょい住んでいる時も自分で日本食を作ったことがない)、逆に食生活が元に戻るのに帰国して行っている期間と同じくらいかかるのですが、ほとんど毎日西洋料理でちょっと飽きてきた。あー、タイ料理とかベトナム料理とかが食べたいよー。
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by ricoricex | 2007-12-22 11:09 | 旅の記憶

やはり風邪をひいてしまった…。調子がよくない。先日にしてもそうですが、ひき始めに薬を飲むので、熱もなく、咳もなく、喉が痛いのとだるいぐらいで、大事にはいたらないのですが、今日は外出せず、ベッドで休むことに。薬の効果か、やたらと眠く、眠いがままに寝てます。Jがやって来て、しばらくして新聞とかを買いに外に出るというので、カラメル(カスタードプリン)をお願いします。相変わらずチープな味。なんだか懐かしくほっとします。そうそう、プリンの語源であるpuddingはその守備範囲がとても広く、定義が分からなかったのです。Pによると、ヨークシャープディング(ローストビーフと一緒に食べる、シュークリームの皮みたいなの)みたいな例外はあるし、ライスプディングとか名称としてくっつてしまっているものもあるけれど、単にプディングという場合は、コースのデザートとして食べるもの、と。要するにデザートのことですね。
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午前中はずーっと寝たりうとうとしてりしていたけれど、午後になって完全に目がさめる。ふと、テレビをつけると、何か映画やってるなぁ。あっ、ショーン・コネリー、っと、これは007だー! 果たしてその通りで、『007は二度死ぬ』でした。おっもしろいなぁー。よく007はショーン・コネリーは一番だ(『trainspotting』でも出てきましたね)と聞くけれど、頷ける。一緒に観ていたJによると、シリアス過ぎず、ありえねーってようなバカバカしいシーンや軽やかなお色気シーンもあって、そのバランスがいいんじゃない、と。初見でしたが、いやー、娯楽作品としてよくできてますよー。
夕方、少し食欲が出てきたのでミネストローネ、パン、ヨーグルトを食べる。だいぶ元気になってきました。夜、EとCh1がやって来て、お茶を飲みながらおしゃべり。ふたりはパテとタルト、前の週に渡したショートブレッドとチョコレート・ロールがいたく気にいったとのこと。レシピを見せて作り方を言うと、えっ、そんな簡単なの?と驚愕の声。Eは自身が料理が好きだし在英20年近くになるので、ふんふんと読んでいたけれど、そんなに長く住んでいないCh1は、あー、全然分かんないわ。lineって何?tongsって何?とか言っていたので、ちょっと安心する。
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試験があるんだー、外国人にはハードル高すぎっつーの、なーんて言いつつ、ふと、待てよと。確かに外国人というハンデはある、でも彼らは私のことを言葉は不自由だなーと感じつつも外国人だからーとさほど思ってないみたいだし、だいたい、誰に頼まれたわけでなく、自分が好きで来たのだから、外国人だからーと自分から言うのは甘え以外の何物でもないわけで。せっかく同じ土俵に立たせてもらったチャンスを、なぜ大事にしない、自分から私は例外なのーと言う必要はさらさらないわけだよ。甘えちゃいかん、甘えちゃ。食の知識は食べてきた経験、つまり生きてきた年数にも比例する場合も多いわけで、一番若いC1は、お母さんが料理をあまりしないこともあり、フランス語を知らないから、知らないこともたくさんあって、見てると一生懸命だし、努力しているじゃない。C2も障害を抱えた子供をもっていてこのコースが初めて自分自身のための時間だけど、ケアラーがいるとはいえ家に帰れば自分のための時間はないわけだし、Beだって仕事を抱えながらの通学(だから近所のステイしないでワイト島から毎日通っている)と、それぞれがそれぞれの事情でハンデを抱えているんだ。甘えちゃいかん!
そんなことを自分に言いきかせ、EとCh1が帰ったあと、いよいよレシピの翻訳にかかり始める。とりこぼしがないよう確実に理解するために、少しでも分からない言葉は辞書を引き引き、載ってないものは後で訊くために付せんを貼って。思った以上に、時間がやたらかかる。うーむ、これは自分で自分に課したこととはいえ、道は険しいですぞー。
by ricoricex | 2007-12-20 22:01 | 旅の記憶

早いもので、コースも折り返し地点、2週間が終わろうとしています。Rは今日まで。授業が始まる前に、僕は途中で終わるから最終日の試験は受けなくていいんだよ、などと喋ります。そう、このコースの最終日には試験があるのです。試験だからといって、別段どうってことないのですが。ただ、どこまで理解できているのかのを知るのにはちょうどいいし、せっかくお金払ってそのために来ているんだもの、コースの間にできるだけ知識も頭に入れたい。後で自分ひとりでも作れるように、またレシピの中の言葉をひとつひとつ理解しているか確認し(実習と並行しているので、知らない言葉が出てきてもふんふんとやり過ごしているはず)、授業中に出てきたたくさんのtipも書き留めておきたいので、レシピを翻訳していこうと思います。ほかに肉やハーブ&スパイス、パイ生地、ソースなどさまざまな参考資料ももらっています。初日にバインダーをもらい、毎日レシピやこれらの資料を綴じていきますが、すでにかなりのボリューム。資料の翻訳までは手が回らないでしょう。それでも目は通しておきたい。やることは山積みです。
今日のメニューはTarte aux poires(洋ナシのタルト)かTarte aux pommes(リンゴのタルト)で、どちらかを選択。私は洋ナシを選びました。パンや野菜炒めの味つけもそうですが、ときどき好きな素材が選べます。これ、選ぶ材料で若干作り方が違ったりするので、アレンジを知るにもちょうどいい。
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実習前にパイ生地のおさらい。これまでキッシュなどに使うショートクラスト、パイ包みに使ったフレーキー・ペストリー、本日のようなお菓子用のパート・シュクレ、と作ってきて、それぞれ材料の配分、特徴が違う、と。そして、レシピは分量で覚えるのではなく割合で覚えると応用がきく、と。まあ、当然ですよね、数学の方程式みたいなもんです。例えば、ヴィクトリアン・サンドイッチ、主な材料はすべて等分量です。ショートブレッドの場合は、主原料の割合が1:2:3。また、パート・シュクレ、小麦粉2に対しバターが1、あとはシュクレ(フランス語で砂糖を加えた、つまり甘い)とあるように砂糖と卵の黄身を加える、ほかのパイ生地は水を加えるけどパート・シュクレは例外で加えない、と。まあ、確かに原理を覚えれば簡単です。でも、その原理を覚えるのが大変なわけでして。とはいえ、パイ包み用のフレーキー・ペストリーは水分が多め、なぜか、中にムスリンなどが入っているので湿度を保つため、です。と、論理的といえば論理的なわけで、でもそこに到達するには、やはりしっかり理解していないと元も子もないんだよなぁ。
いざ、実習。洋ナシのタルトなので、洋ナシをのせて焼くのですが、チューターのインストラクションは、ちょっと私には物足りない。頭を残してナイフを入れて扇状に広げて置くのですが、うーん、これは見せてもらったものよりもっと少し薄く切って、スライドさせていった方が美しいに違いない、とアレンジ。こういうことは得意なんですよねー。仕上がりは上々。またしても器用ねーと言われ、上機嫌です。
薄くスライスして少しずつずらして広げることを、閉まったベネチアンブラインドのように、とレシピにはあります。ベネチアンブラインド? 何それー?と、訊くと要するにブラインド(カーテン)のこと。あー、確かに。でも、ブラインド(カーテン)のことベネチアンブラインドって言うのねー、これも知らなかったのです。
本日はRは用事があってロンドンには戻らない、ということで、C2に駅まで送ってもらう。毎日ワイト島(!)から通っているBeも一緒。Beは朝はC1が駅で拾って、帰りはC2が駅へ送っていくので、便乗させてもらいます。Beとは途中まで一緒(彼女はウォータールーまで行かず乗り換え)。喋っているうちに、やはりネイティブ独特の言い回しとかがむずかしいとかっていう話になり、あっ、そうかもね、とBe。そこで教えてもらったのが、魚屋はfishmonger。fishshopと言うこともあるけれど、こっちの方がまだまだ健在。でも今は魚屋自体が珍しくなったので、若い子は知らないかもねー。mongerは〜屋みたいなもんだけど、肉屋には使わない。あー、金物屋のmongerだわね、ironmongerだもん、mongerの使い分け? なんだろーねー、と。お酒を扱っている店はoffie。off-licenceのoffをもじったものだわね、と。オフィーだのテリー(telly: テレビのこと)だのエリー(エルサイズのこと)だの、ィーを付けますな。そういえばバターがべたべたしている、バターが多いことはbutteryだし、脂が多いときはfattyで、油が多いときはoily、脂っこい、脂でギトギトした感じはgreasyだし。なんでもィーを付けて形容詞です。さて、buttery、fatty、oily、greasy。これらの言葉、日本語だと漢字を使い分けるにしても、すべて“あぶらっこい”で集約されちゃうけど、英語はしっかり使い分けるわけで。やっぱり、頻度の高いものは語彙も豊富だなぁー、と改めて感じたりします。
今日のお持ち帰りはパン、チキンレバーパテ、メルバトースト、ミネストローネ、洋ナシのタルトと、まるでケータリングの人のように荷物が多い。ウォータールーからジュビリーラインに乗り、ウエストミンスターで乗り換えるのですが、ジュビリーラインは私のお気に入りなのです。近未来的な駅(そういう本が出ていて、貰ったことがあります)が多く、ウエストミンスターも然り。気分は『未来世紀ブラジル』です。建築家は違いますが、メタリックな素材を使っているので(そういう申し合わせがあったのかしら)、何となく統一感があります。横浜のみなとみらい線の駅も、個々の駅は頑張っているけれど、全体の統一感に欠ける点が残念。
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帰宅して持ち帰ったミネストローネとパンで昼食。ちょっとのんびりして、ハイストリート・ケンジントンをうろうろした後、買い出しへ。小ぬか雨で、なんだかぞくぞくして来た。あっ、また風邪ひくかも、やばいかも。その帰り、Eさんにバッタリ。彼女は夕食に出かけるところで、帰りしな、持ち帰りを取りに寄る、と。パテとタルトで夕食。風邪薬も飲んでおく。22:00ごろEさんがやって来て、ちょっとお茶をして、この日は終わり。
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by ricoricex | 2007-12-19 18:08 | 旅の記憶

cling film、これ、(サラン)ラップ(といっても日本のものほどピチッとはしませんが)、alminium foil、これ、アルミフォイル(アルミフォイルと言っても通じませんでした。Baco foilとも呼ぶようで、これはセロテープとかと同じく商品名が一般化したもの。hoover/掃除機も一緒ですね)。オーブンを使う料理が多いのでgeaseproof paper(油脂をはじく紙)、silicone paper(パラフィン紙に近いかな)などをよく使います。ovenproof dishはル・クルーゼなんかでよくあるオーブン対応可能なお皿で、lineってのは動詞で、型に紙を敷くってこと。
基本的な道具は、各自に用意されています。トング、キッチンばさみ、ウドゥン・スプーン、ホワイト・スプーン、スパチュラ3種(大きさと素材によって)、ウィスク(泡立て器)2種(素材によって)、延べ棒、ピーラー、ゼスター、メロンボーラー、レモンリーマー(レモンの汁を絞る木製の道具)、それにテーブルスプーンとフォーク、味見をするためにデザートスプーンが数本、えんぴつ立てのようなものに入られています。さらにプラスティックボウル6種、大きいガラスボウル1個、シーヴ(粉ふるい)、水切り(パスタなどで使うやつ)、金属製の大きなボウル、まな板(ちなみにまな板はchopping board。通常は日本のものほど大きくなく、cutするためではなくchopするために使うので)、メジャリングカップが大小2個。頻繁に使うナイフ類はパレットナイフ大小2種含め6本、これらはトレイに入ってスタンバイ。うち、小さめの歯がギザギザしたナイフのことはトマトナイフと呼んでいます。確かに、このナイフだとトマトの皮も難なく切れます。そして各ペアごとにメジャリングスプーンを1セット。
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あと、台ふきは布ではなく、うーん、あれはなんでしょ、厚手の丈夫な紙のようなものを使います。白と水色の縞模様が入っていて、水にひたしてしぼって汚れをふきとり、くたーっとなったら捨てます。ミニラップのような紙の箱にロールになって売られています。シンクをきれいにしたり台をふくのにスポンジを使ったりもします。食器類を洗うのにスポンジは使いません。柄のついたブラシを使います。
とまあ、言葉、道具や使い方を知るのもひと苦労です。これらはよく使うのでさすがに覚えましたが、まだまだ序の口。日々格闘しております。レシピのteaspoonは小さじ、tablespoonは大さじ、それぞれtsp、tbspと略されることもあります。
オーブン使いに便利だなと思ったのが、ミトンが2つ厚手の布の端にくっついたオーブングローブ(そのまんまですが、この言葉を知らなかったので、あれ、ほら、あれ、オーブンから取り出すときに使うミトンのやつ、とトホホなことを言ったりもしました)。厚手の生地の両端にポケットが付いていて、そこに手を入れて使います。ポケットは端の両面に付いているものもあり。生地に長さがあり、ポケット部分以外は厚みはないので、オーブンの取っ手にかけておくことができます。
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さてさて、今日のメニューはStuffed chicken legs(チキンの詰め物)、Watercress sauce(クレソンのソース)とCarrot puree(ニンジンのピュレ)、午後はMinestrone(ミネストローネ)と次の日用にPate sucre(パイ生地)。チキンの詰め物もそうですが、ムースに近いふわふわ状のものをmousseline(ムスリン)と呼びます。そしてチキン、またも骨を外して、などという作業があったりして、なかなかうまくできません。骨を抜きムスリンを入れ、皮を糸でしばっていくのですが、わー、手術みたいで楽しい、という生徒もいたり。そうそう、肉の処理をしているときに、皮を十分残しておく(捨てない)ようにとのお達しが。これは縫い合わせるから。一般的にイギリス人は鶏肉の皮が嫌いです(私も好きではないので、自分で作るときはあらかじめ取り除いて調理します)。
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このチキンの料理のときにRはナスで詰め物にする料理を作ってました。彼はベジタリアン(ヴィーガンではないので、バターなど乳製品はオッケー)なのです。あっ、そうね、あなたはベジタリアンだったわねといってその場でアレンジ。Rはレシピが欲しいと言い、チューターのBはもちろんよ、でもちょっと時間をちょうだい、と。またC2はアレルギーで、ニンジンがダメなので、ピュレを作るときに、じゃあ、ジャガイモで作りましょう、と。規格外(私も言葉が不自由な規格外の生徒ですが)なことに、じゃあこうしましょう、こういうのはどう?と。いろいろある条件から不可能なものを引いて、残ったものの中からベストを選ぶというやり方で、それが大げさでもなく、大変そうでもなく(というか面倒臭いなことはしないと思う)、ごくごく自然なこと。言う方も、レシピ通りに参加できなくてすみません、みたいなところがなし、言われた方も、あら困ったわね的なところがないのが、いいなあと思う。かく言う私もそんなことは気にしない質(じゃないとコースに参加していないよなぁ)ですが、日本にいるとその辺は微妙でですね。どっちがいいとかという問題じゃなくって。断られないのをいいことに無理をお願いしていることも多く、本当に気を回してもらっていることが多いので、となると感謝と申し訳なさが当然、感情として出てくるわけだし。
イギリス人はイタリア料理が好きだし(店も多いし、レディミールもよく見るし、パスタはよく作ってるし)、それなりに浸透していると思ったけれど、ミネストローネって何?って訊いていたりして。日本のファーストフード店でミネストローネ置いているところなかったっけ? 改めて日本人のイタリア料理好きを思ったりもしました。
夜はちょっと離れた街の古い、古い映画館へ。今週のメニューにも登場し、話題にのぼった『Ratatouille(レミーのおいしいレストラン)』をPと観に行く。私、アニメって全然観ないのですが、技術の高さにびっくりしました。こういうのが題材になるなんて、アメリカでもフード・コンシャスってことなんだろーなー。
by ricoricex | 2007-12-19 17:48 | 旅の記憶

さあ、今日から復活です。今日のメニューはSalmon en croute(サーモンのパイ包み)、Stir fry vegetables(野菜炒め)、次の日のデザート用にChocolate chip ice cream(チョコチップアイスクリーム)。サーモンは昨日のスケジュールにあったフレーキー・ペストリーを使う。昨日は欠席してしまったけれど、フラーキー・ペストリーはこれまでのパイ生地の中で一番大変だった、とクラスメイトたちは言う。あらら、大切なものを見逃してしまったのね。このメニューも毎度のことながらソースを作り、西洋料理はソースが大事なんだなぁと実感する。
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野菜炒めは、これを炒めると呼んでいいのか、作り方も食感も違う代物。フライパンに油をひき野菜を入れ、火の通りが遅い野菜もあるから蓋をして少し置くんです。日本だと、火の通りの遅いものは先に軽く湯通しするとかして野菜炒めを作るけど、違うんだなぁ。また、前々から気になっていたけど、まず鍋やフランパンを温めてバターや油を入れるってことはしない。最初から入れちゃうんです。そんなこと気にしないわってことなんでしょう。私の知ってる野菜炒めと全然違う!と言ったら、さすがにPは知ってて、それは中国風のやり方で中華鍋(wok)で作るときはそうなるわね、でも、イギリスの一般家庭にはwokはないし、このやり方の方がなじみやすいの、と。stir fryってシャキッと炒めるということも意味するようですが、この日のやり方だとあまりシャキッではないです。でも味つけにソースを使うので、このちょっとやわらかいぐらいの方が味はなじみます。まあ、シャキッとかパリッとかそういうテキスチャーより、口当たりやわらかい方が好きな人たちですから、こういうところにも反映されているのかもしれません。
そして味つけは好みで、ペアごとに選ぶ、と。まず塩・胡椒で味をつけて、ってことはしません。選択肢はオイスターソース、ソイソース、スイートチリソースの3種。オイスターソースがいいなぁって言ったら、パートナーのC1がスイートチリがおいしいわよっ、と。するとほかのクラスメイトやチューターたちも、そうそうスイートチリはイギリス人が大好きな味なのー、ってなことで試してみる。もっと辛いかと思っていたら辛さは多少あるものの甘めのソース。タイ料理やベトナム料理で、生春巻きとか食べるときに使う甘辛いソースの辛さを少し抑えた感じ。それを炒め物のソースに使うというのは、私の発想にはなかったけれど、悪くない。むしろ、新鮮でおいしい。酢豚で使うようなソースほど濃くないので、ちょうどいい。これ、私には新しい味。うん、いいね。と言ったらC1は、でしょーと満足気。
で、ふと記憶が甦る。以前、ヨークシャーに住んでいる友人のGを訪ねたとき、チャイニーズのテイクアウェイを食べたことがあったけど、彼がウマイウマイって食べてたソースはこれだったのか! さらにJが日本に来たとき、中国料理店で何かスイートチリ(まあ、これは酢豚的な濃い味だったでしょうが)のメニューをオーダーしたら、その店の人が、イギリス人はこの味が本当に好きなのよ、って笑ってたしなぁ。
デザートは、前日私は欠席して作れなかったカスタードプリン。少し分けてもらう。カラメルがいい按配と思っていたら、ほかのクラスメイトたちは口々に苦い、焦がし過ぎちゃった、と。チューターも、そうね、少し苦いわね、と。もしやこの人たちはビターも苦手なのかしらん。
あー、私、ゼリー(前日のデザート)食べ損ねちゃったって言うと、大丈夫、とっといたわよ、と。このゼリー、メニュー名はテリーヌとあって、レシピはテリーヌ型を使うようにあったけど、この方がラクだからと、dariole(ダリオール:日本で言うプリン型)を使ったもの。こんな感じで、授業はレシピに準じながら、よりやりやすい方法にアレンジ。私、ダリオールっていう名称も初めて知りました。ちなみにスフレ型はramekin dish(ラメキンディッシュ。単にラメキンとも)。
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午後はMayonnaise(マヨネーズ)、Chicken liver pate(チキンレバーパテ)、Melba toast(メルバトースト)。レバーをこんなにたくさん扱ったのは初めてです。C1と2人、うっぷとなりながら実習を行う。このパテ、これまた超簡単。メルバトーストはパテを食べるために食パンを薄く切って焼いたものですが、フレンチトーストと呼ぶこともあるようです。フレンチトーストに似たデザート(食パンを使いオーブンで焼くという違いはありますが)はブレッドアンドバタープディングと言います。
マヨネーズは卵の黄身だけを使いますが、白身は捨てません。アイスクリーム、ダブルクリームやシングルクリームの空き容器を大切にとっておいて、スープやソースの保存に使っています。卵の白身はクリームの容器に入れて冷凍させます。上から重ねて入れても大丈夫よ、と。これも生活の知恵ですね。
by ricoricex | 2007-12-19 11:38 | 旅の記憶

全身がだるい、起き上がれない。朝食の時間になっても私が降りていかないので、Pが心配して様子を見に来る。頑張って授業に出席できないわけではないだろうが、変に無理してこじらせるのは嫌だし、何より人にうつすのではという不安から、本日は休むことにします。ちなみに今日のメニューはLamb cultets(ラム)、Ratatoille(ラタトゥイユ)、Creamed aubergine(ナスのクリームソースがけ)、次の日のデザート用のCream caramel(カスタードプリン)と、これまた次の日の下準備としてのFlaky pastry(フレーキー・ペストリー)。
夕方、少し体が軽くなり、食欲も出てきたので、食事をお願いする。とはいえ、味のあるものはつらいので、前の日の作ったパンとヨーグルトと紅茶。紅茶はレモンをもらってレモンティーで飲む。P曰く、風邪のときはとにかく温かい飲み物をたくさん摂るのがいい、レモンやハチミツはいいわよ、と。
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薬を飲んでいるせいか、とにかく眠い。が、21:00からはチャンネル4でやってるゴードン・ラムジィの『Ramsay's Kitchen Nightmares』を観る。ご存知、セレブリティ・シェフ(イギリスではマスメディアなどに頻繁に出ているシェフをこう呼ぶ。日本でいうカリスマ・シェフみたいなニュアンス)、ゴードン・ラムジィが閉業の危機に瀕しているダメダメなレストランに出向いて再建のサポートをするってヤツ。スポンサーがゴードン・ジンってとこが笑えます。イギリスのテレビ番組を観ていると、スポンサー(広告)はあくまで広告、番組は番組となっているみたいで、番組内で変な気遣いとかよいしょがないのが清々しいんだな。
ゴードン・ラムジィはFワードを連発するわ罵倒するわで、下品だと眉をひそめる人がいるのも事実で、『Ramsay's Kitchen Nightmares』でもその姿は健在。そんなの私は気にならないけどね。この番組、一種の経済番組ですぞ。シェフとして云々よりレストランビジネスのあり方を見せてくれます。とはいえ、たいていはビジネス以前の問題で、あきれるような実態をさらしてくれ、そういう経営者は結局経営者としての素質がない場合がほとんどだから、しばらく経ってゴードンが訪ねたときは元の木阿弥、果てはビジネスを降りちゃったなんてこともしばしば。ったく、商売をなめんじゃない!
この番組は料理番組ではないのだけれど、イギリスの料理番組を観ていると、アシスタントがついてレシピの説明をするなんてことはなく、シェフ自身(もしくはプレゼンター)が喋る、説明するというパターン。まあ、シェフといえど、いやシェフに限ったことではなく、喋れない人(おしゃべりという意味ではなく、ちゃんと自身で説明できるということ)は生き残れないんだなぁと思います。
by ricoricex | 2007-12-19 11:30 | 旅の記憶

Pilmicoで待ち合わせて、Rに学校へ連れていってもらう。RはMP(member of parliament:国会議員)で、日本は景気が悪いだの、イギリスの好景気は実態のないまやかしだの、そういう話をする。議員だけに日本の社会情勢にも詳しく、少子化社会の話題になったときに、まあ、要するに政府はtax payersがたくさん欲しいってことで、それで躍起になってんのよ、と言うと、イギリスの少子化だけどそれはあまり問題視されてない、なんでか分かる?と。確かに子供自体は少ないけれど、世界中からたくさんの人(今だとEUに加盟して日の浅い東欧からが多い)が労働を求めてこの国にはやって来るんだ。だから成年人口は多いし、その分税金もそれなりに納められているだ、と。さらに、30年前までは外国人と結婚するのは珍しかったけど、今、特にロンドンではいわゆるイギリス人同士の結婚の方が珍しいんじゃないかな、と。なるほどねぇー。
行く途中、ワイナリーの看板を発見。きけば、イギリスでの南部ではちらほらとワイナリーがあるそーだ。寒冷地ではブドウは育たないので、これも温暖化のひとつの表れらしく、そうきくとなんだか複雑な気持ちになる。
それにしても一対一の会話はラクだわ。今の私の英語力だと会話にばっちり参加できるには一対二が限界。これが英語が流暢でもネイティブじゃない人だったら、もっとスムーズなんだけどなぁ。なぜか、それはネイティブはネイティブならではの表現や言い回しがあって、知らないとぽっかーんってなっちゃうんだな。さらにエリアやその人独特のアクセントがあったりするので、ネイティブが多ければそのへんがカラフルになるので、余計に大変度が増すのです。あと、テレビ番組とかローカルなイベントとかが話題になるときっついねぇ。
ところでイギリスの流しの下の開きには、包丁を入れるスペースがありません。じゃあ、どこかっていうと、たいがい壁に専用の磁石をくっつけて、そこにぺたんを置くのです。外に出しておくことは物騒な気がするのですが、いちいち(これをいちいちと呼ぶべきかどうかは置いておいて)扉を開いて包丁を取り出して、よりはぐんとアクションは短くって済むんですけどね。
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さて、本日はカレーです。さすがインド(+パキスタン、バングラディッシュ、スリランカ)料理が定着しているだけありますね。でも家で作ったことがある人はいませんでした。以前、(一般に)食べることに関して保守的なイギリス人(彼らはスペインが大好きなのですが、イギリス人ツーリストの多いところではパブやフィッシュ&チップスなどカジュアルな飲食店が並び、スペインでもビールを飲んでフィッシュ&チップス食べてるというのは一種のジョークのように言われています)が、なぜ類似性がほとんどないと思われるインド料理が好きなのかを尋ねたことがあります。その人曰く、第二次世界大戦後、多くのインド人がイギリスに移住してきた、当然インド料理屋は増える、同時に人々の生活が忙しくなり、テイクアウェイもより活用するようになった。と、その時、インド料理は安かったのでたくさんの人が利用するようになった。そうして、もしかしたら最初は味ではなく安さで普及したのかもしれないけれど、やはり食べる機会が増えれば味覚も敏感になる。それで大衆性を得たのではないか、と。これは広東料理(香港からの移住者が多く、そのため広東料理が多い)も一緒だろう、と。
メニューは、Rogan josh/Lamb curry(ラムカレー)、Spiced basmati rice/Masaledar basmati(スパイシー・ライス)とSpinach with potatoed/Sag aloo(ほうれん草とジャガイモと付け合わせ)です。ほうれん草は火を通して使うのですが、鍋にたっぷりの水を入れてゆでたりしません。鍋にほうれん草をそのまま入れふたをし、弱火にかけます。ゆでるというより蒸すです。そうして水切り(といってもざるではなく、よくパスタの水切りをするアレです)にあけ、ポテトマッシャー(延べ棒に頭がついたようなタイプのもの)に似た道具でキュッキュッとプレスして水気をとります。どーです、随分違うでしょ。道具をたくさん使う感は否めませんが、なるべくラクに簡単にやりましょの精神がここにも宿っているように感じられます。
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本日のカレー、かなりスパイシーでした。クラスメイトたちはおいしいと言っていましたが、概してイギリス人は強い味が得意ではありません。味が強いことをsharpと表現しますが、まさに言い得て妙だなぁと感じます。甘いものは例外で、辛い、酸っぱいものは苦手なようです。今やカレーはイギリスの国民食のひとつですが、それはチキン・ティカ・マサラに代表されるマイルドなものが人気なように思えます。
午後は翌日のランチ用にTerrine d'Oranges(オレンジゼリー)と持ち帰りようにBread(パン)を作ります。ゼリーは、その方が扱いやすいからと板ゼラチンを使用。板ゼラチンをふやかすのに、計量カップにくるっと丸めて入れて(ちょうど板ゼラチンが計量カップの内側にきます)、水をひたひたに注ぐというのも賢いなぁと思いました。板ゼラチンそのものをベタにバットとかに入れるよりずっとラクだし、水量も少なくて済むし。
そしてパン作り。ここで、ワーーーンダフル、マーーーーベラス、ファーーーーーンタスティックなモノに出合いました。それはeasy bleand yeast(fast action yeastという名前でも売られています)。最初から材料に混ぜて使えるという、超!超!超!便利なものです。さすがに生地は発酵させますが(といってもオーブンの上においておいたり、日当たりのいい場所に放置しておくだけ)、イースト自体は発酵させる必要がありません。便利すぎます! すごいです! そういえばヴィクトリア・サンドイッチを作るときは、これまた便利なSRフラワー(セルフライジングフラワー。あらかじめふくらし粉が入った小麦粉)を使いました。なんて、なーんて便利なんでしょう! これらはイギリス独自のものかどうか分かりませんが、日本人とはまったく別の発想で合理的、効率のよさを追求していて、本当に本当に素晴らしい食材です。私のような大ざっぱな人間にはもってこいです。
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夕食を食べるころ、背中がぞくぞくっとしました。嫌な予感。風邪をひく前兆に思えたので、薬を飲んで寝ます。
by ricoricex | 2007-12-18 22:53 | 旅の記憶

クランペットもろもろで朝食。そして目指すはリバプール・ストリート。ロンドンは東京駅のような地方とリンクする列車が一堂に集合する駅はありません。ウォータールーとかキングス・クロスとか、大ざっぱに北の方、西の方といった具合にターミナル駅が分かれています。リバプール・ストリートはそんな駅のひとつ。今まで一度しか利用したことはありません。2000年の夏、V(野外で行われる音楽フェスティバルのひとつ)が開催されたチェルムスフォードに行って以来です。
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ほかのターミナル駅でも思ったのですが、それまで見なかったコーニッシュ・パスティーのスタンドができていて、リバプール・ストリートも同様。試したかったけど、コースが終わった後、コーンウォールに行くので、そのときの楽しみととっておくことに。
リバプール・ストリートから東へ少し行ったところに、スピタルフィールドというマーケットがあります。おされーなカフェやショップが並ぶ中にあり、えらく小ぎれいです。オーガニック食材で有名ということですが、果たしてどこにあったのかしら。見過ごしたか、行き損ねてしまったみたい。パン屋さんやオリーブを売る店があるかと思えば、ファッションデザイナーの卵が自分の作品を売っていたり。単にフードという点では、ボロー・マーケットの方が見応えがあるのですが、若いアーティストが好き勝手気ままに自分の作品を作って売っているという姿は、なんだか活力がもらえうような気がします。場所によってはノーマン・フォスターが設計したガーキン(スイス再保険会社ビルの愛称。ガーキンとはピクルスに使う小さなキュウリのことで、形が似ていることからそう呼ばれます)も見えます。
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このスピタルフィールドのマーケットの向かいに、とてもいい感じの店が2軒ありました。ひとつはおそらく果物屋さん。もう1軒はA. GOLDという食料品店。小さな店ですが、昔懐かしいファッジなどの駄菓子を量り売りしていたり、チーズやソーセージなど、イギリス食材にこだわって売っているようです。あとで聞いたところ、やはり各地から集めたイギリスの食材を売る有名店だそう。
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そしてさらに東に向かい、ブリック・レーンへ。ここは観光スポットとしてもすっかり有名になったインド、バングラディッシュタウン。東京でいうと新大久保といった感じかな。スパイシーな香りプンプンで、カレー屋も多くあります。雑多な賑わいで、もちろん観光客も多く、シンガポールのインド人街を思い出しました。道をちょっと脇にそれるとだだっ広い倉庫みたいなところでマーケットがあったり、露天では青果から洋服、お鍋までありとあらゆるものが売られていたり。アメ横のような雰囲気もあります。ひとつ気づいたのが、野菜や果物はプラスティックのボウルに入って売られていること。もちろんボウルは売り物ではありません。日本の八百屋さんのプラスティックのカゴと一緒ですね。
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ところで、道すがらbig brother is watching youというでかでかポスターを発見。イギリス、特にロンドンはCCTV(監視カメラ)が設置されております。このCCTV、俗にbig brotherと呼ばれています。その由来はジョージ・オーウェルの小説『1984年』(日本語訳は私にはイマイチでしたが、それを差し引いても十分過ぎるほどおもしろい小説です)から。オエィシスのギャラガー兄弟が立ち上げたbig brotherというレーベル(今もやってんのか?)もこれが由来でしょうし、かの覗き見的テレビ番組『big brother』もここから来ているとふんで間違いないでしょう。ポスターに話を戻すと、悪さするな!と言っているのでしょうか、きっとそうですね。
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さて、今ではカレーな街として有名なブリック・レーンですが、かつてはユダヤ人街だったそう。そのせいかベーグル屋もよく見ます。本日のランチはBeigle Bakeというベーグル屋の老舗(といっても超庶民的な店です)でサーモンとクリームチーズの入ったベーグルサンド£1.50。この店、すごい行列で、中にはどっさりまとめ買いする人もいました。ベーグルだけでなく、ペストリーみたいなのも売ってました。日本で食べるベーグルより若干小ぶりで、さほどもちもちしていません。材料をあまりこてこて使っていないのでしょう、非常にシンプルな味わいです。
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河岸を変えて、バスでテート・モダンへ。天気もよかったし、川岸へ降りる。ロンドンは海から近くないのですが、テムズ河はときどき潮の香りがします。この日もそう。下流から潮の満ち引きで海水が入って来るそうですが、ほんとかな? テート・モダンのブックショップはアート関係の本や雑誌が、とても充実しています。ずっと読みふけってしまいます。でも今日は買うまでにはいたらず。
ブラックフライヤーあたりでバスを拾って帰宅。このブラックフライヤーにはその名もThe Black Frairという有名なパブがあります。彫刻家が大聖堂を模してデザイン(正確には改装)したという建物。もっと古いように見えますが、改装が行われたのは1906年らしいので、約100年前。
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どーしてもシェファーズパイが食べたくなって、買ってきて夕飯に食べる。これこれ、このラムのミンチの匂いとマッシュポテトが、ときどき無性に食べたくなる一品です。
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by ricoricex | 2007-12-18 22:46 | 旅の記憶