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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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カテゴリ:建築&デザイン( 21 )



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これまでテムズ川沿い、タワーブリッジ近くにあったロンドンのデザイン・ミュージアム。
テレンス・コンランによる私設美術館で、モダン建築に焦点をあてたエキシビションが多く(あっ、今、日本を巡回中のポール・スミス展はここで3年前に開催されたもの。私、ご本人に会っちゃったもんねっ! → http://ricorice.exblog.jp/21391510/)、モダン建築好きの私は、ロンドン滞在中、必ずといっていいほど立ち寄る場所です。
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移転前、テムズ川沿いにあったデザイン・ミュージアムはこんな感じでした

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旧デザイン・ミュージアムに展示してあった新デザイン・ミュージアムの模型


このデザイン・ミュージアム、数年前から工事が始まり、ついに本日、2016年11月24日(木)、ホーランド・パークにオープンしました。
ホーランド・パークはこの界隈にお住まいの方、もしくはこの公園内のユース・ホステル(現在は閉鎖。趣のある、いいユース・ホステルだったな)を利用されたことのある方はご存知かもしれませんが、南側の入り口、ケンジントン・ハイ・ストリートに面したところにポールがたくさん(3列で20本ぐらい?)建っていまして、その後方にあったスペースが新しいデザイン・ミュージアムとなりました。
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昨年、2015年11月中旬はまだまだ工事中


今回、私のロンドン滞在は2016年11月8〜18日(帰国は19日)と、新生デザイン・ミュージアムのオープンには間に合わなかったのですが、滞在中、プレオープンの日があったり(これも行けず)と完成はしていたので、外観だけは見学できました。
こーんな感じです。
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ミュージアム

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ミュージアムのエントランス

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エントランスの前には小さな人工池が。左側のガラス窓の多い白い建物がミュージアム・ショップで、その向こうはケンジントン・ハイストリート

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以前テムズ川沿いのパッセージにあったこの彫刻もお引っ越し

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ミュージアム・ショップ

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ミュージアム・ショップからミュージアムへの通路

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ケンジントン・ハイストリートから


こ〜んなのも。
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サウス・ケンジントン駅に貼ってあったデザイン・ミュージアムのポスター

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先週後半はオープニングに先駆け、デザイン・ミュージアムのみならず、てがけるテレンス・コンラン氏もメディアに多数登場。これは11月17日(木)、BBCの夜のニュース番組内のインタビューで


デザイン・ミュージアム/Design Museum公式サイト
http://designmuseum.org/

情報メディア、Time Outによるコラム
Six reasons to be excited about London's new Design Museum
http://www.timeout.com/london/blog/six-reasons-to-be-excited-about-londons-newdesign-museum-112216

※新デザイン・ミュージアムについての報道はほかにもたっくさんあるので、興味のある方はぐぐってみてください。


〜〜過去の関連記事も併せてどうぞ
○ポール・スミス展@デザイン・ミュージアム → http://ricorice.exblog.jp/21391510/




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by ricoricex | 2016-11-24 18:00 | 建築&デザイン

今年、2016年の春は、現在暮らしている福岡と、海をまたいだ隣県、山口を往復する日々です。
ちょうど山口市の山口県立美術館で「英国の夢 ラファエル前派展」をやっていて、なんか見覚えあるなぁ、と思ったら、山口県立美術館の前は東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでやっていて、巡回してきたのですね。
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正直言うと、この時代の絵画にはさほど食指が動かないのですが(私はモダンなものが好きなのです。ついでにいうと歴史も苦手です。。。)、なんとなく観たいなぁという気になり、ちょうどタイミングも合ったので出かけました。
(最近の学芸員さんは今どきの解説をするのだなぁ。これって美術館ごとに違うのかしらん。)

絵画の感想や詳細はさておいて、気になったこと。
展示の前半は、ジョン・エヴァレット・ミレイの作品が続き、そのなかのひとつ『春(林檎の花咲く頃)』に目を奪われてしまったのです。
というのも、これ、林檎園でピクニックのごとく、女性が集っているもので、その中央には、大きなボウル(というか鍋というか深皿)がおかれているのです。
ポーリッジとかライス・プディングに見えなくもない。でも、そんなもの果樹園に持って行くかな? う〜ん、なんだろう?
水にしては描かれ方が白いのよねぇ。


ところで、私が初めてジョン・エヴァレット・ミレイをジョン・エヴァレット・ミレイとして意識したのは、ブラインド・フェイス/Blind Faithのアルバム・ジャケットで。
それは、少女が銀色の小さな飛行機(?)を持っている画というもの。
これ、写真ではあるのですが、ある日、ジョン・エヴァレット・ミレイの『花嫁の付き添い』を観たとき、はっとしました。


この感じ、どっかで観たことあるなぁ。
ぐぐっと記憶の糸をたぐりよせてみたところ、それはブラインド・フェイスのアルバム・ジャケットだったというわけです。
両者の類似性に言及した文献はみたことないけれど、ブラインド・フェイスのアルバム・ジャケットを手がけたデザイナーなりカメラマンなりが影響を受けた、もしくは念頭においていたのは間違いないんじゃあるまいか、と。
(補足:ブラインド・フェイスは、1969年、クリーム解散後のエリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカー、スティーヴ・ウィンウッド、リック・グレッチといった面々によって結成されたバンド。といっても、その活動期間は半年程度だったのだけれど)

ブラインド・フェイスのアルバム・ジャケットとジョン・エヴァレット・ミレイの関連性は分からないけれど、こういう古典というか過去の引用をいともたやすくやってしまうところに、ヨーロッパを感じたりもします。
現在は過去の上にあるんだって、ね。
DNAに刻まれたというか、歴史とともに生きている様を目の前にすると、その圧倒的な背景に立ち尽くしてしまいます。
クラフトワークなんて、クラシックミュージックの正統な継承者って気がするし、ね。

ちなみに、『花嫁の付き添い』は結婚指輪にケーキをくぐらす様が描かれていて、イギリスのケーキの歴史を知るのに、なかなか興味深い作品です。


さて、美術館のカフェでは、「英国の夢 ラファエル前派展」ということで、イギリスらしいメニューも展開されていました。
スコーンセットとイートンメス
スコーンは、イギリスのお菓子といえば、の定番なので、そうだよなぁ、ぐらいの印象なのですが、イートンメスはいいね!
特にこの季節は、暖かいというよりも暑いぐらいの日もあるから、そんなときにうれしい一服タイムではないでしょうか。
(あいにく、どっちも食べてないけれど。。。)
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この「英国の夢 ラファエル前派展」、山口県立美術館ではGWが終了する5月8日(日)まで開催されています。
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~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○ロンドンで撮影されたアルバムジャケット・トップ10 → http://ricorice.exblog.jp/20979429/
○春画展@ブリティッシュ・ミュージアム → http://ricorice.exblog.jp/21459782/




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by ricoricex | 2016-05-04 12:00 | 建築&デザイン

2015年3月中旬、イギリスの新聞、The Independentに以下の記事がありました。
美しきイギリスのデザイン10選
The top 10 British designs of all time
http://i100.independent.co.uk/article/the-top-10-british-designs-of-all-time--lydcOs4g0g

選ばれた10アイテムは次の通りです(順不同)。

01. 電話ボックス/Red phone box
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02. ルートマスター(ダブルデッカー・バス)/Routemaster double-decker bus
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03. ユニオンジャック/Union flag
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04. スピットファイア(戦闘機の一種)/Spitfire
05. ロールス・ロイス/Rolls-Royce
06. ロンドン・タクシー/London taxi
07. ロンドン地下鉄マップ/Map of the London Underground
08. ミニクーパー/Mini Cooper
09. コンコルド/Concorde
10. 郵便ポスト/Red pillar box
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1の赤い電話ボックス、2のルートマスター、10の郵便ポストは、大いに同意。
本当に美しい。見ているだけでほれぼれします。
郵便ポストは時代によってデザインが異なり、常に意識して、というわけではないのですが、目にとまったおもしろい郵便ポストは写真に撮ることがあります。
2014年秋、ナショナルトラスト開催のロンドンのモダン住居建築ツアーに参加したときも、移動のときに、おっ、と思った郵便ポストをの写真を撮っていたら、「君、ポスト好きなの?」 「いいよねぇ、デザインがさ〜」「これは○○時代のものだね」など話しかけられたので、やはりこういうものを美しいと思う心情は万国共通だなぁと感じ入ったわけです(もっともこれは私ではなく彼のセリフでしょうが(笑))。

3のUnion flagは、日本ではユニオンジャックと呼ばれることが多いのですが、本国ではユニオンフラッグ。
それぞれの国(イングランド、スコットランド、アイルランド、旗にはないけれどウェールズ)が合わさって構成された旗なので、ユニオンフラッグ。ですが、ユニオンジャックでも間違いではないようです。
ちなみにユニオンジャックは、船において国を示す旗のことです。
ユニオンジャックも優れたデザインですよね。国のPRに大きな役割を果たしているなぁと思います。

7のロンドン地下鉄マップもよくできています。特に色。メインの色が濃紺ってところがポイント。黒だと重くなるし、青だとそこまで立たない。
地下鉄線の引き方も熟考されているなぁと感心します。

8のミニクーパーはねぇ、、、残念ながら、BMWの傘下以降ではないと思うんですよ、私! BMWが悪いわけじゃなくって、大きい企業で大きな市場をあらかじめ狙うと、おおむねデザインは凡庸になる、ってことの例証だと受け止めています。
e0038047_016455.jpgミニクーパーもいいけれど、モーリス・トラベラー(合ってる?)もいいね! 木枠に胸がキュンキュンします。荷物を後ろに積み込んで、週末とかの長期でない日程で田舎を旅行する時に本当によさそうなんですよね(画になる、という意)。
余談ですが、2014年秋に1日3回も、ロンドンの街中(住宅街ではありますが)で駐車してあるのを目撃し、こんな日もあるのね〜と思ったりしました。

この10選、9のコンコルドが英仏共同開発なので(のはず)、純粋にイギリスと呼んでいいのかどうかはではありますが、納得の結果ではないでしょうか。
あと、6のロンドン・タクシーはおそらく、昨今よく見る広告でラッピングされたタクシーではなく、昔ながらのブラック・キャブ、黒塗りのオースチンのカーデザインのことを指しているのではと思われます。
e0038047_017522.jpgタクシーついでに。
この優れたデザインリストにもうひとつ付け加えることができるなら、タクシー運転手さんたちの休憩所、キャビーズ・シェルターを強く、強く推したい!です。
キャビーズ・シェルターについてはこちら 
  ↓ 
 http://ricorice.exblog.jp/20911411/



・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。
by ricoricex | 2015-03-25 00:00 | 建築&デザイン

今秋のイギリス訪問時に、幸運にも参加できた、ナショナル・トラスト開催によるロンドンのモダン住居建築ツアー、Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell
内容はというと、“UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に、ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を回るというもの。
ちなみに目的地まで連れて行ってくれたのは、かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターです。
このツアーに参加できたいきさつについては、このシリーズの初回に綴った以下の記事をどうそ。
ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
http://ricorice.exblog.jp/22471253/


回った5つの建築スポット、ローンロード・フラッツ、アレクサンドラ・アンド・アインスワース、バービカン・センター、バルフロン・タワー、ベッド・ゼッドについては、こちら(↓)をご覧ください。
ロンドンのモダン住居建築ツアー 02 ~ローンロード・フラッツ~
http://ricorice.exblog.jp/22494115/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 03 ~アレクサンドラ・アンド・アインスワース~
http://ricorice.exblog.jp/22525696/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 04 ~バービカン・センター~
http://ricorice.exblog.jp/22549563/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 05 ~バルフロン・タワー~
http://ricorice.exblog.jp/22573336/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 06 ~ベッド・ゼッド~
http://ricorice.exblog.jp/22596864/


最後の訪問場所、ベッド・ゼッドの見学が終わると、バスはロンドン・ヴィクトリア駅を終点に、途中で停まる数カ所から、降りたいところで降りられます。
バス移動は時間がかかるけれど、ロンドン・ヴィクトリア駅まで行く方が帰るには楽なのですが、途中のミッチャム・ジャンクション/Mitcham Junctionで降車。
なぜかって、それはトラム/路面電車に乗るためです。
トラムリンク、またはクロイドン・トラムリンクと呼ばれ、クロイドンを中心にウィンブルドンなどロンドン南部を走ります。
開業は2000年と比較的新しいのですが、なんせ郊外にあるので、乗る機会がなく、やっと、です(ウィンブルドンまで行ってそこから地下鉄というルートをとりました)。
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日本の路面電車の場合は、広島にしろ、長崎にしろ、熊本にしろ、古いので、それらと比べるとぐっと今どきなのが不思議な感じでした。
車体をふちどるブライトグリーンの色味も、風景の中で浮いているような浮いていないような、、、とにかく目立つんですよ。
ちなみにもとは赤い色だったのが、2008年に運営がロンドン交通局に変わったのを機に塗装も変わったようです。
私見ですが、トラムが走っているのは郊外とはいえ、ロンドンは赤い色、バスとか郵便ポストとかの赤い色がピンポイントとして入ってくるので、赤い方がしっくりくるなぁ。
それと床がえらく低く感じました。
日本のバスでノンステップバスってあるでしょ、あんな感じです。
そのせいなのか、吊り革が通常の地下鉄よりも、さらに高い位置に感じられます。
乗っているときの感じが、先に挙げた日本のトラムよりも世田谷線っぽいのは、都会ど真ん中じゃなくって、観光スポットなんぞない生活感の中を走る街中のローカル線だから?
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写真がぶれぶれなのは、バスが到着したときに、幸か不幸かトラムがやって来る時間がすでに迫っていたからです。
この日は、ツアーが許容量を超える充実ぶりで、次のトラムを待つほどのエネルギーはもう残っていなかったのだよ。。。

sat 27/09/14



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by ricoricex | 2014-12-13 00:00 | 建築&デザイン

今秋、イギリス訪問時に、幸運にもナショナル・トラスト開催による、ロンドンのモダン住居建築ツアー、Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordellに参加できました。
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に、ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を回るという内容。かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターが連れて行ってくれるのもうれしい。
このツアーに参加できたいきさつについては、このシリーズの初回に綴った以下の記事をどうそ。
ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
http://ricorice.exblog.jp/22471253/


回った建築スポットは全部で5つ。最初の4つの訪問場所のローンロード・フラッツ、アレクサンドラ・アンド・アインスワース、バービカン・センターとバルフロン・タワーについては、こちら(↓)をご覧ください。
ロンドンのモダン住居建築ツアー 02 ~ローンロード・フラッツ~
http://ricorice.exblog.jp/22494115/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 03 ~アレクサンドラ・アンド・アインスワース~
http://ricorice.exblog.jp/22525696/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 04 ~バービカン・センター~
http://ricorice.exblog.jp/22549563/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 05 ~バルフロン・タワー~
http://ricorice.exblog.jp/22573336/


このロンドンのモダン住居建築ツアーのハイライトであり、4つ目の訪問場所であるバルフロン・タワーを後とし、バスはロンドンの街を南下。
目指すのは、ロンドン郊外ウォーリントンにあるベディントン・ゼロ・エナジー・デヴェロップメント/Beddington Zero Energy Developmentです。
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ベディントン・ゼロ・エナジー・デヴェロップメントは略してベッド・ゼッド/BedZedと呼ばれ、通称ながら、こちらの方が通りがいいようです。
このツアーでこれまで見てきたのは、第二次世界対戦前および後のモダン建築ですが、最後の訪問場所であるベッド・ゼッドは21世紀に入ってから完成した新しいもの。
現在進行形の住居建築シーン、ひいては現代の暮らしのあり方を反映したもので、それは何かというと、建物のデザイン云々よりもまずは、再生可能資源の活用を徹底化しているところにあります。平たく言うと、エコ建築というわけです。
実際に住んでらっしゃる方が案内してくださいました。
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バイオ燃料電池の発電システム、高気密・高断熱による熱環境雨水や排水の再利用、太陽エネルギーを取り込むソーラー・パネルの設置など、きめ細かい仕組みがとられています。
私が関心&感心したのは、運搬のエネルギー消費を押さえるべく、建築資材を近隣から調達したということ。
2002年に建てられてから10年以上。水道光熱費は驚くほど低く、それもそのはず、冬の暖房は、年に数日あるかないかのよっぽどの寒い日でないと入れない、とのことでした。

集合住宅ですから、集団生活のためのコミュニティみたいなものも形成されていて、それは一般的なそれよりもずっと強い印象です。
敷地内には菜園や保育園が併設され、電気自動車を共有したり、もっと小さなことで言えば、本やDVDの貸し合うことはしょっちゅうだそう。
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これってもしかして21世紀の(インテリジェントでインテレクチュアルな)ヒッピーの生活スタイルなのかもなぁと感じてしまいました。
大きな違いは20世紀のヒッピーがカウンターカルチャーの中で発生したのに対し、21世紀では時代に柔軟に寄り添うってところ。この違いは大きい。
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私自身はエコでもビオでもなくって(そりゃその方がいいけどね、ぐらいの有り様で、便利さの快適を否定できるわけがない、というスタンス)、こういうのって、思想ありきになるとつらくって。でも、ここで案内してくださった方の、目の前にあったからそれを選択した、という肩に力の入っていない態度はいいなぁと思いました。
そして、この日のツアーではいくつか部屋を見たのですが、ここが一番しっくりきました。住むならここがいいなぁ。
それは、居心地のよさによるもの。
つまりですね、エコとかデザインとか作り手の思いが前のめりしていないんです。
“住み心地がいい→エコ、デザイン”の方が、“エコ、デザイン→住み心地もよい”よりも重要なんだなぁ、少なくとも私にとっては。
(部屋の中の写真については、個人の方の住居ですのでここでは割愛)

日もぼちぼち落ち始め、ツアーはこれにて終了。
ロンドン・ヴィクトリア駅まで行くツアーバスを途中下車。
そこで向かったところとは?
そこについては、余談として、次回。

ところで、ベッド・ゼッドって言葉の響き、レッド・ゼップ/Led Zep(レッド・ツェッペリンの愛称 ※英語だとレッド・ゼッペリン)に似てません?(笑)
促音で韻を踏んでいるからで、アッカ・ダッカ/Acca Dacca(AC/DCの愛称)も大きなくくりとしては同じ。
これらの言葉って声に出したときの語感が気持ちいいんですよね。

sat 27/09/14



・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。
by ricoricex | 2014-11-26 00:00 | 建築&デザイン

今秋、イギリス訪問の際に参加できた、ナショナル・トラスト開催による、ロンドンのモダン住居建築ツアー、Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に、かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターで、ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を回るものです。

回った建築スポットは全部で5つ。最初の3つの訪問場所のローンロード・フラッツ、アレクサンドラ・アンド・アインスワースとバービカン・センターについては、こちら(↓)をご覧ください。
ロンドンのモダン住居建築ツアー 02 ~ローンロード・フラッツ~
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ロンドンのモダン住居建築ツアー 03 ~アレクサンドラ・アンド・アインスワース~
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ロンドンのモダン住居建築ツアー 04 ~バービカン・センター~
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そもそも、このツアーに参加できたのは、ゴールドフィンガーのバルフロン・タワー/Balfron Towerを見学したなぁと思っていたから。
(このシリーズの初回に、
 ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
 http://ricorice.exblog.jp/22471253/

 として、そのいきさつを綴っております)
4カ所目の訪問スポットは、そのバルフロン・タワーです。
私の中では、このツアーのハイライトです。
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バルフロン・タワーはその運営が変わるにあたり(そして容れ物そのものは変わらないでしょうが、中をリノベートすると思われます)、今年は住居建築と街のあり方を知る、モダン住居建築を考証するといったワークショップなどが開催されています。
とはいえ、一般に建物内をオープンしているわけではなく、10月に2週間、限られた2フラットが公開されました。
http://www.nationaltrust.org.uk/article-1355860158401/
http://www.theguardian.com/artanddesign/gallery/2014/sep/26/flat-130-in-the-balfron-tower-in-pictures
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2771712/Come-fab-view-60s-National-Trust-opens-Brutalist-architect-Goldfinger-s-flat-public.html
私が参加したこのツアーではそれに先駆け、特別公開されたというわけです。

建物の中に入り、いざフラットへ。見学できたのは130号室。
さすがに古さは否めないけれど、もとの造り自体はすっきりとしています。
建物のデザインよりも、スウィンギングロンドンのポップレトロな感じの、特別にディスプレイされたインテリアの方が俄然目立っていました(あれっ、それって本来の目的と乖離しちゃった感が。。。)。
生活感がまったく感じられず。なんだか映画のセットみたい。
この感じ、どっかで見たな。
あっ、『時計じかけのオレンジ』だ! アレックスのフラットだ!
映画同様、エドウィン・コリンズの「A Girl Like You」 (『Gorgeous George』からのシングルカット。シングル、アルバムとも名盤!)のジャケットにも使われた、エキゾチックな女の子の絵画が飾られているし。
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公開された部屋は角部屋だったので、二方にベランダがあり、O2アリーナのあるノースグリニッジ、金融街であるカナリー・ワーフあたりが見渡せます。
このバルフロン・タワーのあるあたりは、今はワーキングクラスのエリアなので、そのギャップが不思議な感じ。
でも、運営が変われば、バルフロン・タワーもポッシュな住居建築として認識されるようになるのでは、と睨んでいます。
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バルフロン・タワーの次はついに最終目的地。そこについては、次回。

sat 27/09/14




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by ricoricex | 2014-11-17 00:00 | 建築&デザイン

今秋、イギリス訪問の際に参加できた、ナショナル・トラスト開催による
ロンドンのモダン住居建築ツアー
Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に
内容は、ロンドンのモダン住居建築5カ所を、
かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターで、
ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を回るというものです。

このツアーに参加できたいきさつについては、
ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
http://ricorice.exblog.jp/22471253/

最初の2つの訪問場所のローンロード・フラッツとアレクサンドラ・アンド・アインスワースについては、
ロンドンのモダン住居建築ツアー 02 ~ローンロード・フラッツ~
http://ricorice.exblog.jp/22494115/

ロンドンのモダン住居建築ツアー 03 ~アレクサンドラ・アンド・アインスワース~
http://ricorice.exblog.jp/22525696/

をご覧ください。

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2番目の訪問地、アレクサンドラ・アンド・アインスワースの見学が終わり、次に向かったのはバービカン(・センター)/The Barbican Centre
ロンドン地下鉄の駅にも同名のものがあり、まさにそこが最寄駅。
第二次世界大戦中、爆撃により廃墟となったロンドン中心部のエリアに、商業・居住複合再開発がなされた一大施設です。
外側からは中の様子が分からないのですが、敷地内に入ると、そこはモダン都市計画の極み。
居住施設はもちろん、アートギャラリー、コンサートホール、映画館、劇場、図書館、大学の学部まであり、いくつかの大きな建物を中心に構成されているので、シンプルな作りではあるのですが、なんせ大きく、目的地に辿り着くまで時間がかかるので、そのたびに迷子になったかと錯覚してしまいます。
中央はオープンスペースになっていて、人工池もあり、そこでは鳥たちもくつろいでいて、コンクリートと自然が一体となったおだやかな風景が広がります。
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このバービカン・センターにはカフェやピクニック・スペースがあるので、本来、昼食をとるために立ち寄る予定でした。
ここで、幸運なことが!
ツアーの参加者の中に、実際にバービカンにお住まいの方がいらっしゃり、ご厚意でご自身のフラットの公開を提案してくださったのです
(写真を撮ることもご快諾くださったのですが、個人の方の住居ですのでここでは割愛)。
このツアーで最初に訪ねたローンロード・フラッツ然り、随分前に泊まった、フランス・マルセイユにあるル・コルビュジエのユニテ・ダビタシオン然り、今の便利なガジェットを揃えることとは違った(それはそれでいいのですが)、ミニマムなスペースに工夫がいっぱい詰まっていて、感心することしきり。
小さなことながら、だからこそ考えをめぐらせ頭をフル回転させたであろうアイディアを目の当たりにすると、とても心そそられます。

ちなみにバービカン・センターの隣は2010年に完成したHeron Tower
ロンドンを代表する高層ビルのひとつで、このあたりは本当にきれいなビルが増えたなぁ。
バービカンは、第二次世界戦後に構想が始まり、完成したのは着工から20年以上経った1982年。
当時の理想として莫大な予算を投じて建てられたバービカンと、数十年後の技術の先端をいく周囲の高層ビルとの対比もおもしろい。
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e0038047_1895191.jpgバービカン・センターはランチブレイクの場所だったので、サンドイッチを買って昼食。イギリスのサンドイッチは2ピース入っているのですが、予定外のフラット見学も入ったので、完食する時間がなく、残りは次の場所へ向かうバスの中で食べることに。
次の目的地については、次回。

sat 27/09/14



・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。
by ricoricex | 2014-11-08 00:00 | 建築&デザイン

今秋、イギリス訪問の際に偶然にも参加できた
ロンドンのモダン住居建築ツアー
Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell
は、ナショナル・トラストが開催した
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に
ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を巡るツアー。
ロンドンのモダン住居建築5カ所を、
かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターで回りました。

このツアーに参加できたいきさつについては、
ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
http://ricorice.exblog.jp/22471253/

最初の訪問場所のローンロード・フラッツについては、
ロンドンのモダン住居建築ツアー 02 ~ローンロード・フラッツ~
http://ricorice.exblog.jp/22494115/

をご覧ください。
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ツアーの最初の目的地、ローンロード・フラッツの見学が終わり、
バスに乗り込んで向かった先は、
カムデンにあるアレクサンドラ・アンド・アインスワース/The Alexandra and Ainsworth
アレクサンドラ・ロード・エステイト、ロウリー・ウェイとも呼ばれます。

集合住宅建築というと、とかく高層階のビルを思いがちですが、
ここは4階建ての低層階で、縦ではなく、横に長い建物です。
ええと、タイとかのリゾートホテルで、低層階のホテルがありますよね。
あれのもっと規模が大きいというか、ざっくりと言うと。
まあ、とにかく長い。距離にしてどのくらいでしょうか、何100m、
ロンドンの地下鉄のひと区間はあるんじゃないかと思えるほどの大きさです。

敷地内を1本の道が走り、両側に建物が建ち、
各フラットの玄関もこの道に面して設けられています。
デザイナーは、アメリカ合衆国生まれ、ロンドンのAAで学んだニーヴ・ブラウン。
1968年にデザインができ上がり、工事の着工は1972年、
6年後、デザイン完成から10年後の1978年に完成しました。

各フラットはテラスを大きく設けられているのが特徴で、
歩いているとそれぞれの住居者の生活の様子が垣間見れます。
スペースがあることもあり、観葉植物が設置されていたりもするため、
コンクリート色は思っているほど強くありません。
住居内は見学できませんでしたが、
テラスが大きい、ということは窓が大きく、採光も期待できそうで、
ぎちぎち感は少ないのでは、と推察します。
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一番の問題は、郵便屋さんでしょうか。
防犯の意味もあるのでしょう、各フラットの玄関は地面に面しておらず、
ちょっと階段を上がったところに設けられています。
ということはですね、一軒一軒いちいちこの玄関へのアプローチの階段を昇降しないといけない。
いくら段数が多くないとはいえ、非常に疲れるのは想像にかたくありません。
「この玄関の造りって、郵便屋さんが大変じゃない」と言ったら、
周りにいたほかのツアー参加者の方にえらく感心されました(笑)。
と同時に、まさに郵便屋さんが配達している姿が!
「ほら見て! やっぱり大変そうよ」と(笑)。
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公民館、というか、住居者のために別棟でコミュニティスペースもあり、
ここで実際に暮らして、コミュニティを運営している立場の方からお話をうかがいました。
おもしろかったのは、子供のためにあらかじめ遊び場は用意されているものの、
子供というのは万国共通、何にでも遊びを見出すもので、
建築家の意図とは別のところで子供が喜んで遊んでいると。

このコミュニティスペースで感じたのは、
こういう優れたコンクリートの建物は、圧迫感を感じさせない意図があるのでしょう、
採光のとり方、それは窓のようなわかりやすいものだけでなく、
天井とか壁のちょっとしたスペースの角度の付け方がうまいということ。
ル・コルビュジエのロンシャンの教会は、圧倒的な光が強烈な印象でしたが、
ラ・トゥーレット修道院は、まさにこの光のとり入れ方が焼き付いていて、
ゲーテの「もっと光を!」じゃないけれど、
ヨーロッパの北の方は、採光は住居を考えるときに、
これらの国々より緯度が低い日本で生まれ育った私のような者が思うよりも、
意識的/無意識にしろ、ずっと重要視されているんだろうなぁと思ってみたり。
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そんなこんなでとうに12時を回り、アレクサンドラ・アンド・アインスワースを後に、
バスは次の目的地へと向かいます。次の場所については、次回。

sat 27/09/14



・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。
by ricoricex | 2014-10-31 00:00 | 建築&デザイン

今秋、イギリス訪問の際に、大変好運なことがありました。
それは、ナショナル・トラストが開催した
ロンドンのモダン住居建築ツアー
Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell
に参加できたこと。
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと一緒に
ユートピアを目指して作られたロンドンの住居建築を巡るツアーで、
ロンドンのモダン住居建築5カ所を、
かつて郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスターで回りました。

(このツアーに参加できたいきさつについては、前回の
 ロンドンのモダン住居建築ツアー 01
 http://ricorice.exblog.jp/22471253/

 からどうぞ。)
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ツアーはローンロード・フラッツに
10:30集合からスタート。
最寄駅はベルサイズ・パーク駅。
駅を出て少し歩いたところに
突如として白い建物が現れます。
これこそがローンロード・フラッツ/The Lawn Road Flats。

ローンロード・フラッツは1934年にオープンした集合住宅で、
イギリス初のモダン・フラッツであり、
イギリス初のインターナショナルスタイルのひとつ。
2000年に登録建築物として最高級のグレイド1を与えられ、2004年に完全復活。
現在も住居として使われているので、そこは見学できませんでしたが、
1階はギャラリーとなっており、
ローンロード・フラッツやモダン建築に関するパネルや、
当時の住居空間の様子を見学できたりと、非常に興味深い。
ちなみにこのギャラリーは週末オープン(冬季休業)していて、
誰でも訪問できます。
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建築デザインはウェルズ・コーツ、施主はプリチャード夫妻。
この建物に当時のクリエイティブな人たちが入居していました。
バウハウスのスターのグロピウス、マルセル・ブロイヤー、ラズロ・モホイ=ナジ、
一般的な知名度があるところではアガサ・クリスティもここに住んでいました。
建物内のレストランバーは芸術サロン的な役割を果たし、
ヘンリー・ムーアやベン・ニコルソン。バーバラ・ヘップワースらが常連だったとか。

施主のジャック・プリチャードはナチスからの亡命者、
とりわけ建築家の援助に関わっており、
一時期、ドイツや東欧からの亡命者用の部屋も確保されていたといいます。
ここまでは、さもありなん、と思える話なのですが、
驚いたのは、ローンロード・フラッツをソ連のスパイが住居として使っていたということ!
アートと政治。
う〜ん、これまで単に建物に興味をとられていたけれど、
ローンロード・フラッツの場としての役割も俄然気になり始めました。

ローンロード・フラッツはアイソコン・ビルディングとも呼ばれ、
それはアイソコン社の事業だったから。
そのため、先に述べた1階のギャラリーは、
アイソコン・ギャラリーと呼ばれます。
後にアイソコン社は、集合住宅から家具へと事業の軸足を移します。
家具メーカーとしてのアイソコン社の代表的な作品に、
ロングチェアーがあり(デザインはバウハウス出身のブロイヤー)、
シャルロット・ ペリアンがデザインしたシェーズ・ロング
(フランス語でまさに“ロングチェアー”!)に
素材の違いこそあれ、アプローチが似てるなぁ、と思うのですが
(それまでもロングチェアーというのはあり、このタイプのイスの総称でもあるわけですが)、
時代のセンスが向かう空気と、実際に作家の交流があったからなのかもと感じたりして。
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私は、コンクリートが夢を見ていた時代のモダン建築がとても好きなのですが、
周囲に共有できる人がほとんどいなくって、
それは私が建築の専門でないからということもあるのでしょうが、
周りにもそういう人がほとんどいない。。。
逆に言えば、だからこそ、一般的なところとしては今の時代ですらそんな状況ですから、
当時の評価というものは相当ひどかったんだろうなぁ、と思いを馳せるのです。
現に、ローンロード・フラッツは
1946年、ホライゾン・マガジンの「最も醜い建築コンペ」で2位だったわけで。

ちなみに、ローンロード・フラッツの建物の色は白に見えますが、
実はピンク。
近くに行って初めて認識できる程度の淡い色です。
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ではでは、ツアーの次の訪問場所については、次回。

sat 27/09/14



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by ricoricex | 2014-10-23 00:00 | 建築&デザイン

e0038047_023220.jpgきっかけは、ロンドンで6月に開催された、
現代建築イベント“London Festival of Architecture 2014”。
ここで、ゴールドフィンガーのバルフロン・タワーを題材に
住居としてのモダン建築を考証する
「The International Architecture Showcase」
というプログラムがあり、これは気になる、非常に気になる、
と歯ぎしりしたのです。

でも、9月には、建物を開放してくれる、
建築イベント“Open House London”があるじゃない! 
だから今回の渡英は9月にしたんじゃない! 
(今年、2014年の“Open House London”は9月20日(土)&21日(日)に行われました)

希望を抱いたのもつかの間、すぐに不安がもたげてきて、
これだけの有名建築(大半は酷評だけれど)だと、
“Open House London”に参加していたら、混み合うこと必至。
あ〜、混んでるの嫌い! 並ぶの嫌い! 悩むなぁ。うううう〜ん。
とはいえ、目先のことに追われ、
渡英前は“Open House London”のチェックをできないまま、現地入りしました。

9月12日にイギリスに入ってからも、忙しくはないけれど、
あれよあれよと時間が経ち、
うむむ、これはバルフロン・タワーどころではないな、
混んでなくって並ばなくてもよさそうな、近場で手を打とうと思うにいたりました。
まっ、焦ってもロクなことはないしね。
そのうち機会はあるかもしれないし、なかったらそれまでのこと、と。
そんなわけで、20日(土)の“Open House London”では違う建物を訪問しました。
こちらについては、また追って。
(ちなみに、日にちを1週間早く勘違いしていた私は、
 21日(日)からはロンドンを離れて、別の場所に行くことになってしまっていたのです)

翌日、“Open House London”期間中の日曜日のこと。
既にロンドンを離れていて、
滞在先の宿でチェックインを済ませ、部屋でひと休みしていたときのこと。
「ハロー、ノリコ! バルフロン・タワーに行きたい? 27日(土)はあいてる?」
と友人から電話。
「27日(土)? OKよ。でも、今日で“Open House London”は終わったんじゃないの? どういうこと?」
「あっ、まあね。それは当日のお楽しみということで、とにかくバルフロン・タワーに行けるから。それと、その日は丸々あけといて」。

なんだか狐につままれたような。。。
でも、担がれているわけではなさそうだし、本当にバルフロン・タワーに行けそうだし。
なんだかわけがわからないけれど、
ミステリーツアーに参加すると思うことにしましょう、と当日を待つことにしました。

e0038047_0222281.jpg果たして、これ、ナショナル・トラストが開催した
“ロンドンのモダン住居建築ツアー”だったのです。
訪問場所のひとつとして、
バルフロン・タワーが組み込まれていたというわけ。
ちなみにツアーの正式名は、
Road Trips by Routemaster: Visions of Utopian Living with Tom Cordell”。
UTOPIA LONDON”という建築映画を監督したTom Cordellと
一緒に、ユートピアを目指して作られた
ロンドンのモダン住居建築を巡るツアーです。
連れて行ってくれるのは、かつてロンドン郊外を走っていた緑色の2階建てバス、ルートマスター
(よく知られる赤いルートマスターはロンドン市内を走っていたものです)。

前置きが長くなりました。
ツアーの詳細については、おいおいお伝えしていきますね。
とにかく、定期運行でない、1回こっきりの千載一遇ともいえる貴重なツアー、
こんなことってあるかしら!!!と思えるほど、濃く充実した内容のツアーでした。

sat 27/09/14



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by ricoricex | 2014-10-15 00:00 | 建築&デザイン