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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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2017年イギリスでよく売れた料理本・トップ10


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最初に。
今年はまだ終わっていないので、2017年11月中旬時点の順位です。
2018年に入って振り返ったときに順位が違っているかもしれません(クリスマス商戦次第、かもですね)。


先日、当ブログでお知らせした、
デリア・スミスがコンパニオンズ・オブ・オナー勲章(CH)を授与される”の記事。
この中で、受賞後のスピーチでデリア・スミスが発した「レシピ本は不要」についてもふれました。

これに反論する形で、BBC記者が「レシピ本は必要」という記事を公表。
それを裏付ける材料として、記事の後半に今年2017年(といっても11月中旬までですが)の料理本の売上げが示されました。
Why Delia Smith is wrong: We do want more cookery books
http://www.bbc.co.uk/news/business-41994986


今回はこの“2017年イギリスでよく売れた料理本・トップ10”を販売数と合わせてご紹介します。
冒頭でも記したように、クリスマス商戦が加わり最終的な2017年の料理本ベストセラーの順位は変わる可能性があること、ご承知おきください。

それでは、気になる順位はこちらです。

01. 『5 Ingredients - Quick & Easy Foodジェイミー・オリヴァー/Jamie Oliver 49万3,523部


02. 『Lean in 15 - the Shift Planジョー・ウィックス/Joe Wicks 19万4,669部


03. 『Mary Berry Everydayメアリー・ベリー/Mary Berry 16万4,147部


04. 『Cooking for Family and Friendsジョー・ウィックス/Joe Wicks 14万8,696部


05. 『Lean in 15 -The Sustain Planジョー・ウィックス/Joe Wicks 14万7,050部


06. 『Lean in 15 - The Shape Planジョー・ウィックス/Joe Wicks 11万7,298部


07. 『The 8-week Blood Sugar Diet Recipe Book』クレア・ベイリー&セァラ・シェンカー/Clare Bailey and Sarah Schenker 8万4,563部


08. 『The Hairy Dieters Go Veggie』ヘアリー・バイカーズ/Hairy Bikers 7万632部


09. 『Nadiya's British Food Adventureナディア・フセイン/Nadiya Hussain 6万4,253部


10. 『James Martin's French Adventure』ジェイムズ・マーティン/James Martin  5万9,705部



いやぁ〜、売れてるなぁ〜! イギリスの人口は日本の約半分。それで、この数字ですよ!
事実、イギリスでは昨年2016年は8700万冊以上の食関連の本が売れ、過去最高だったとのこと。
総額は9030万ポンド、2010年に次ぐ高い売上げとなった模様。

いやぁ〜、ジェイミー・オリヴァーの最新版『5 Ingredients - Quick & Easy Food』、こんなに売れてたのか!
いやぁ〜、2位、4〜6位、なんと10冊中4冊がジョー・ウィックスとは! 本当に時代の寵児だわ!
いやぁ〜、ジョー・ウィックスの本、そして7&8位をみると、すっかり時代は“きれいな食”だわ!
(あっ、ジョー・ウィックスはどんな人物かって? こちらでご確認ください → http://ricorice.exblog.jp/26036760/


上記、“2017年イギリスでよく売れた料理本・トップ10”の出典元であるBBCの記事、
Why Delia Smith is wrong: We do want more cookery books
http://www.bbc.co.uk/news/business-41994986

に話を戻すと、細かいところでは違いはあるものの、私も「レシピ本は必要。ネットと紙では使う意識や目的が違う」とするBBC記者と同意見です。

単にレシピを探すだけなら、ネットで充分。
これは本当にそう。日本でいうと、クックパッドがあればとりあえずOKというのも同じ構造かと。
ただ、このレシピ、ではなく、俯瞰で知りたい、ってときはまとまったものの方、本の方が便利、というね。

ただですね、デリア・スミスの意味する料理本とはレシピ集であって、広い意味での料理本ではなかったんじゃないかって思うんです。
レシピ集って実践的なレシピを備えた本だけど、料理本はレシピ付き世界観を示したものではないか、と。

そう、現在出版されている本の多くは料理本。
料理家ではなく有名レストランシェフの本が次々出ているのはそのためで、読者はその料理を作りたい、もさることながら、そのレストランやシェフの料理や世界観が好き、知りたい、を求めているんじゃないか、と。

そういう意味では、次々と料理本が出版されている現在のイギリスの状況は確かに、なんか浮かれてるなぁ〜な気分にさせられることも事実です。
でもそこにあるのは、出版社が模索し鉱石を掘り当てた結果でもあって、“紙の本がどう生き残るか”、そのひとつの答、“世界観をまとめて、ビジュアルとして楽しく美しく見せる”だとも思うんです。


そうだよなぁ、と思わずしみじみしてしまったのが、冒頭でデリア・スミスについて、こう言っていること。
「どんな発言をしようともしても、デリア・スミスは常にリスペクトを集めてきた。それは、彼女は“料理界の女王”だから。メアリー・ベリーには悪いけど」

デリア・スミスがメディアへの露出を止めたのと入れ替わる形で、超人気テレビ番組「The Great British Bake Off」のジャッジを務め大きな大衆性を獲得したメアリー・ベリーではありますが、
長年の貢献度(と人気)は、今もってデリア・スミスが圧倒的。
だからこそ、発言がいまだもって大きな影響力を持ち、こうやって反論記事も登場するにいたったんだなぁ、と感じるのです。


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○デリア・スミスがコンパニオンズ・オブ・オナー勲章(CH)を授与される → http://ricorice.exblog.jp/26183473/
○やっぱり? 2017年イギリス人の好きなセレブリティシェフ1位はこの人 → http://ricorice.exblog.jp/26036760/
○注文しとく? 2017年注目の料理本15選 → http://ricorice.exblog.jp/25215183/
○イギリスの新聞「The Guardian」が選ぶ2016年のベスト・フードブック20選 → http://ricorice.exblog.jp/25106290/
○レシピ本はどこへ向かっているのか? → http://ricorice.exblog.jp/23686319/



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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ダイレクター/ライター”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2017-12-07 00:00 | 順位&セレクト