日本ではグラタンと呼ぶ方が通りがいいかもしれません。
イギリスでパイと呼ぶものには大きく2つあり、
ひとつはパイ生地を使ったもので、アップル・パイやバノフィー・パイといったお菓子や
ポーク・パイなどのセイヴォリーがこれに該当します。
もうひとつはマッシュポテトで表面を覆ったもので、コテージ・パイやフィッシュ・パイなどの食事パイがそれ。
このヴェジタブル・パイは後者の部類に入ります。
なぜどっちもパイと呼ぶのか、タート(タルト)との違いは何なのか。
それは、パイはフィリングの上に何かをかぶせ、しっかり覆ったものを意味するから。
覆うのはパイ生地でもウィップクリームでもメレンゲでもマッシュポテトでもよく、
だからこそこんなにヴァラエティ豊かなのです。
(それが証拠に、ジャム・タートやトリークル・タートといったタートはフィリングを覆わない)
さて、このヴェジタブル・パイ、
名前のとおり、野菜、風味がよく定番野菜のタマネギ、ニンジン、セロリをメイン食材としたもので、
肉や魚が入らないとコクに欠けるので、
チーズ、そして、ベシャメルソースにブイヨンを加えました。
活躍してくれる道具はチーズグレイター。
スライスから細かくおろすことまで四面あるタイプが便利で、
粗くおろす面は、とりわけ使用価値大。
包丁よりもラク、ってのと同時に、
ニンジンのサラダなんかもそうですが、
表面がざらついている方が“らしく”、ドレッシングがよくしみるように、
くたっとして味がなじみやすいのが気に入っています。
シャープな包丁できれいに切ったものよりも
あえて切れの悪い包丁の方がいい、みたいなものってあるんですよね。
この切れの悪い包丁となってくれるのがチーズグレイターってわけです。
100円ショップでも売っているので、持っておいてもいいかなと思います。
<材料(4人分)>
タマネギ……1/2個(約100g)
ニンジン……小1本(約100g)
セロリ……1本(約100g)
ジャガイモ……約500g
バター……25g+25g
薄力粉……25g
牛乳……300ml
固形ブイヨン……1/2個
とろけるチーズ……75g
塩・コショウ……適量
<作り方(調理:60分 オーブン:50分)>
下準備
*耐熱皿にバターを塗っておく。
*オーブンを180℃に温めておく。
1. タマネギは薄く切る。ニンジンは皮をむく。
※タマネギは半分に切り込みを入れてから切るとよい。長過ぎないので食べるときに口当たりがよくなる。
2. バットにグレイダーをおき、粗い面でニンジン、セロリは葉をとり、おろす。
※おろしにくくなったら、包丁で切る。
※セロリはおろしながら、筋をとる。
3. 1の薄く切ったタマネギ、2のおろしたニンジンとセロリを準備しておいた耐熱皿に入れる。
4. 鍋に水と塩を少量入れて、沸騰させる。
5. ジャガイモは皮をむき、一口大(2〜3cm程度)の角切りにする。
6. 4の湯が沸いたら、5のジャガイモを入れ、8〜10分ゆでる。
7. 3の耐熱皿に入れた野菜を180℃のオーブンで20分焼く。
8. ジャガイモをゆでている間にベシャメルソースを作る。牛乳を電子レンジなどで温める。
9. 鍋にバター25gを入れてやや弱めの中火にかけてとかし、薄力粉を加え、約1分かき混ぜる。
10. 9をかき混ぜながら、牛乳を少しずつ入れる。
※牛乳は最初は少しずつ注ぎ、ある程度ゆるみが出てきたら、玉じゃくし1杯ずつぐらいを入れる。
11. 最後に牛乳を全部入るときに固形ブイヨンも加え、かき混ぜながら約1分弱火にかける。
12. 火から下ろし、塩・コショウで味を調える。
13. ジャガイモがゆで上がったら、湯を切り、鍋に戻す。
14. 13にバター25g、塩・コショウを加え、熱いうちにつぶす。
15. 7の野菜を取り出し、軽くかき混ぜる。
16. オーブンを200℃に温める。
17. 15にとろけるチーズを散らす。
18. 17に12のベシャメルソースをかけ、14のつぶしたジャガイモで覆う。
19. 200℃のオーブンで、きつね色に色づくまで約30分焼く。
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