イギリスの食、イギリスの料理&菓子 ricorice.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


by ricoricex
プロフィールを見る
画像一覧

ケーキ@ヴァイオレット/Violet(ロンドン)


e0038047_151526.jpg

うわさはず〜っときいていて、ロンドンは東!ってのもず〜っと言われていて、
でも、行くとなんだか心もとなく、あんまり積極的に足が向かないのです。
というのもですね、私は、ロンドンは西のアールズ・コート界隈(エリア開発が本格的に着手されるとまったく変わるだろうなぁ)が拠点で、山の手の下町が、東京でいうと三軒茶屋のようなところがしっくりなじむのです。

そんな私が重い腰をあげて、やっと行ってきました。
目指したのは、ヴァイオレット/Violet
http://www.violetcakes.com/
ハックニーにあるケーキ屋さんです。


2000年代半ば頃から、カップケーキはイギリスのお菓子の新定番となりました。
それは、これまであったフェアリーケーキと呼ばれる素朴な、せいぜい仕上げにアイシングをかけた伝統的な小ぶりのケーキ、おばあちゃんが家庭で作ってくれるお菓子とは装いが変わった、カラフルなバタークリームをたっぷりのせたカップケーキ。
アメリカ合衆国からやって来て、イギリスに定着。現在は落ち着いていますが、カップケーキ旋風とも呼べるほどの人気を博し、一大産業にまでなりました。
ハミングバード・べーカリーや日本にも店舗を構えるローラズ・カップケーキがその代表でしょう。

このヴァイオレットもカップケーキが看板アイテムではありますが、ほかと一線を画しているのは“シック”ってこと。
淡いパステルは、カラフルでかわいい、というよりも、色味を抑えて上品、な趣です。
ヴァイオレットの最大の特徴はオーガニック食材を使って手づくりでひとつひとつ作っていること。色がぎとぎとしていないのも、そのせいかな〜と思うのです。

まあ、これが一般的なヴァイオレットの特徴ですが、私が、ほおおおおおお〜!ってなり、だからこそ行きたい!と熱望した理由は、このお店をやっているクレア・プタク/Claire Ptakがもともとフードライター/フードスタイリストで、自身のビジネスとしてケーキ屋を始めたってこと(もっとも、ロンドンに移る前は、カリフォルニアのシェ・パニース/Chez Panisseで働いていたわけですが)。
まあ、これは私自身がメディア側の人間で、でも自分自身の仕事もね(これが、私の場合は“イギリスの食研究家”)、って思っているからなのですが(笑)。

彼女のケーキ屋さんとしてのキャリアは、店舗にそこそこ近い、ブロードウェイ・マーケット/Broadway Marketのストールからスタート。
ここは土曜日だけやっているフードマーケットで、ここで販売したケーキが評判を呼び、4年後の2010年に実店舗を構えました。
現在でも、ヴァイオレットブロードウェイ・マーケットに出店しています。


e0038047_0543411.jpg
そんなわけで、狙いを土曜日に定めて、先に向かったのはブロードウェイ・マーケット
長い歴史をもつマーケットですが、いったん廃れ、再び活況を取り戻したのは2004年。
40程度で始まりましたが、今は150近いストールが出店し、ハックニーの名物マーケットとなっています。
(この日はあいにくの雨、雨、雨)

e0038047_055176.jpg
ヴァイオレットはマーケットの真ん中ぐらいの場所にありました。
勝手に小ぢんまりしたストールを思い描いていたのですが(だって、実店舗営業もあって、手づくりで、となるとそんなにないんじゃないかって思ってもおかしくないでしょ)、アイテムも種類も多かった!
ここで買いたいのをぐっと我慢して、いよいよ店舗へGO!
e0038047_0561778.jpg

e0038047_0555539.jpg

e0038047_0553035.jpg



ブロードウェイ・マーケットからヴァイオレットまではそう遠くはないものの、歩くにはちと遠い。30分はゆうにかかるでしょう。
なので、バスで移動。
(初めてのエリアでさして目印もないのに、カンで移動できる自分がコワい(笑)。
 自分が地図が読める人間でよかった〜!)

ところで、ヴァイオレットの実店舗はアクセスがよくないんですよ。
最寄駅はオーバーグラウンド(アンダーグラウンド/地下鉄じゃない!)のDalston Junction。ほかにもオーバーグラウンド(ひつこいけど、アンダーグラウンド/地下鉄じゃない!)の駅が何駅か使えるけど、使い勝手がいいのはDalston Junction。
お店の周囲は住宅街で、見事になにもありません!
これは、私がなかなか行けなかった理由でもあります(私は、帰りもバスを利用し、Victroia駅まで移動しました)。


e0038047_0564849.jpg
周囲の住宅街に、ほんと、エアポケットのようにちょこんとあいた空間があり、そこにヴァイオレットは建っています。まるで、そこにお店ができるのがあらかじめ決められていたみたいに。
クリーム色/ベージュが入った白いシンプルな建物に、抑えた赤とオレンジの中間のような色合いのひさし、そして店名を記した小さな看板がさり気なく掲げられています。
建物の横には、ラクガキのように、これも抑えた緑色で“VIOLET”の文字が。
e0038047_0571688.jpg


店内は入って右にレジとショーケースがあり、ここで注文します。
小ぢんまりとしていて、量もアイテムもブロードウェイ・マーケットの方が多いかもしれません。
持ち帰りの人も多いので、注文と一緒に持ち帰り/イートインの旨を伝え、イートインの場合は2階へ移動し、注文が来るのを待ちます。
レジ&ショーケースから2階にあがる階段までの1階のスペースは厨房になっています。
10㎡ぐらいかなぁ、小さな小さなキッチン。
保健・衛生の適用範疇が日本と違うからでしょうが、こうやって作っている光景がオープンになっていて眺められるってのは、わくわくスイッチを押してくれます。そして、きちんと作ってるんだな、となんだか安心します。

e0038047_0583940.jpg

e0038047_144655.jpg
私がオーダーしたのはキャロット・ケーキとミニ・ソルト・キャラメル・チョコレートケーキ、そしてアメリカンコーヒー。しめて£7.70。
キャロット・ケーキは素朴なおいしさ。甘すぎずしっとり。
ミニ・ソルト・キャラメル・チョコレートケーキはチョコレート・カップケーキに、塩をきかせたキャラメル・バタークリームをのせたもの。
これ、甘さは確かにありコクもちゃんとあるんだけれど、後口がすっきりしていて、いい! 口のなかでやさしくとけていきます。
ていねいに作られたバタークリームのおいしさを確認できます。

インテリアはユースドの家具を配し、壁に絵が飾られているものの、基本はすっきりシンプル。
バタバタしていなくって、気持ちがときほぐされるよう。
e0038047_0593789.jpg

e0038047_059931.jpg


実は、無印良品とかKinfolkとか、私にはそぎ落とされ過ぎて、あまり得意でないのですが(ちょっとイタズラしたくなる!)、
ヴァイオレットのセンスは絶妙!
ドナ・ヘイ/Donna Hayに抑えたパステル調の色味と影を足した感じかな。

ドナ・ヘイヴァイオレットのオーナーのクレア・プタクと同じようにフードスタイリストで編集者ですが、拠点はオーストラリア。
だからでしょう、シンプルで白く開放感ある感じがベースにできるけれど、それを天気や環境が違うイギリスでやると、ヴァイオレットになるのかなぁ、って思ったりして(クレアはアメリカ合衆国育ちではありますが)。
このねぇ、影があるってのがいいのよ、ヨーロッパだなぁって思っちゃう(イギリスをヨーロッパに含むかどーかはおいておいて。陰影や汚れたところがあるのがヨーロッパっぽいのよねぇ)
センスって、世界観を伝えるために大事ねぇ。
e0038047_101387.jpg


sat 12/11/16


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○カップケーキ@ハミングバード・ベーカリー/The Hummingbird Bakery(ロンドン) → http://ricorice.exblog.jp/18343368/
○ローラズ・カップケーキ/Lola’s Cupcakes → http://ricorice.exblog.jp/23728917/
○ケーキ@ペイトン・アンド・バーン/Peyton and Byrne(ロンドン) → http://ricorice.exblog.jp/25414561/
○キャロット・ケーキ@ラ・パティスリー・デ・レーヴ/La pâtisserie des Rêves(ロンドン) → http://ricorice.exblog.jp/22939612/
<イギリス菓子・レシピ> キャロット・ケーキ【Carrot Cake】 → http://ricorice.exblog.jp/17561422/
<イギリス菓子・レシピ> バタークリーム【Butter Cream】 → http://ricorice.exblog.jp/22065718/



(↑104の英国お菓子ストーリーを詳しく紹介しています!



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ダイレクター/ライター”羽根則子のブログです。

プロフィール ・活動内容  ・著書
 (↑お手数ですが、それぞれクリックしてくださいね)

お仕事・講演などのご依頼は、
 chattexあっとまーくyahoo.co.jp までメールでご連絡を!

by ricoricex | 2017-03-13 00:00 | イギリスのグルメ店レポート