昔ながらのイギリスのお菓子や料理にはパンやパン粉を使うものが少なくありません。
これもパン粉を使うお菓子のひとつ。
古くなったパンをいかにムダなく使うか、食べ物を余すところなく利用していた
昔の人々の生活の知恵がうかがえるようです。
トリークル・タートは、タート(タルト)と呼ぶぐらいですから、
パイ生地にフィリングを詰めて焼いたもので、
そのフィリングにパン粉が使われています。
そしてフィリングのメインとなるのがゴールデンシロップです。
日本ではゴールデンシロップは一般的ではないので、このレシピではハチミツで代用させています。
これが、このお菓子のおもしろいところですが、
フィリングのメイン素材は、ゴールデンシロップであって、トリークルではないのです。
トリークルとは精製していない糖のことで、そのため黒ずんだ色をしていますが、
代用しているハチミツのように、ゴールデンシロップは黄金色の透き通ったものです。
ゴールデンシロップは19世紀後半に流通するようになり、
それまでは文字どおり、トリークルを使っていたのですが、
トリークルの代わりにゴールデンシロップを使うことが一般化しました。
ところが名前だけはそのまま残り、ゴールデンシロップを利用するお菓子ではあるものの、
今もトリークル・タートという名前で親しまれているのです。
<材料(直径18cmのパイ皿1枚分)>
ショートクラスト・ペイストリー……225g
ハチミツ……200g
パン粉……25g
レモン……1/2個(レモン汁は大さじ1)
<作り方(調理:30分 オーブン:25分)>
下準備
*ショートクラスト・ペイストリーを作って、冷蔵庫で休ませておく。(ショートクラスト・ペイストリーの作り方はこちら → http://ricorice.exblog.jp/21363785/)
*パイ皿にバターを塗る。
*オーブンを190℃に温めておく。
1. ショートクラスト・ペイストリーを2mmほどの厚さにのばし、1のパイ皿に敷き、はみ出した部分を切り取る。
※パイ皿との間にすき間ができないように、ショートクラスト・ペイストリーをしっかり敷く。
2. レモンは皮をすりおろし、レモン汁を搾る。
3. ハチミツ、パン粉、すりおろしたレモンの皮、レモン汁を混ぜ合わせる。
4. 1に3を入れ、表面をならす。
5. 190℃のオーブンで25分焼く。
6. 粗熱がとれたらパイ皿から外し、網の上で冷ます。
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