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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

誰に向けて雑誌を作っているのか?


ここ数日のなかで、妙に腑に落ちたこと。
“一体コピーライターは誰に向けてコピーを書いているのか”という内容の記事を読んで、自分の中で改めてすっきり整理できたことがあり、書き留めておこうと思います。


私は、タイトルどおり、イギリスの食研究家という側面を中心に、このブログで綴っていますし、実際の仕事もこっちの比重が大きくなっているのですが、今も編集者・ライターの仕事をしていることに変わりはありません。
広告の仕事もしますが、割合としては出版の方が大きい。

ひとことで出版といっても、書籍もあれば雑誌もあるし、商業出版だけでなく自費出版の手伝いってこともある。
書籍と雑誌の大きな違いはその形態もだけれど、制作においても随分違っていて、私のような外部編集者・ライターの場合は、書籍の場合はたいがい出版社の担当編集者1人とやりとり。
雑誌の場合は、その媒体ごとにチームが組まれ、定期的に関われば、そのチームにいる複数の人とやりとりが発生します。

また、書籍の場合は、基本、広告が入らず、実売が利益に直結するのですが、雑誌の場合は広告収入がおもな利益収入。
ということは、昨今の状況(景気もですが、メディアの立ち位置やあり方が大きく揺らいでいることの方が大きいと考えます)もあって、雑誌は軒並み苦戦を強いられています。
(従来の考え方だと、と付け加えたい。このあたり、思うことはいろいろあるのですが、ここでは割愛)


気がつけば私も20年以上、この仕事をしていますから、休刊という名の廃刊になる雑誌をいくつか見てきました。
形あるものはいつかはなくなる、のです。
なくなる雑誌には大きく2つのパターンがあり、ここでは編集部という存在を軸にみてみたいと思います。

<外的要因>
・思うように広告が入らない
・会社の方針が変わった
・部数が出ない
いずれも編集部だけではどうにもならない問題(営業とか販売とか)で(こういう分け方、とっぱらっていいんじゃないの、と個人的には思う)の場合は、廃刊になるとき、編集部も寝耳に水ってこともない話じゃない。よって、私にその報告が来るときは突然ってことも。

<内的要因>
・視点が読者に向いていない
・仕事がやっつけ
はっきり言います。最悪です。そりゃ、廃刊になって当然だわな。
外からでは見えにくいかもしれませんが、1回でも仕事をすればすぐにわかる。


で、最初に戻って、
“一体コピーライターは誰に向けてコピーを書いているのか”
が、どうして腑に落ちたのかと言うと、
「この間の記事、よかったですよ。編集長にほめてもらいました」と言われたことがあり、それに私はものすごおおおおい違和感を感じたのです。

この人、誰のために仕事をしているんだろう? 誰のために雑誌を作っているんだろう?

もちろん、先に記したように、雑誌はチームで仕事をしていて、最終ジャッジを下すのは編集長です。
なので、編集長のGOがないと、掲載にいたらない、ってことは理解できます。
もちろん、編集長もいいと言ってくれ、作り手としても確かな手応えを感じ、読者の反応もよかった、ってこともあるでしょう。

でもね、「この間の記事、よかったですよ。編集長にほめてもらいました」の言葉が発せられたときは、前後の文脈からどう判断しても、“読者”という視点が欠落していたんですよ。
上司にほめられてはしゃいでいる姿にしか、私の目には映らなかった。
だから、首をひねっちゃいましたよ。あなたが上の人にほめられるために、私は仕事をしてるんじゃない、ってね。


目指すところはそこじゃないでしょう。伝えたいメッセージが読者に届けられたかどうかでしょう。
思い描いていた読者像が的外れなこともあるかもしれない。空振りが続くこともあるかもしれない。
でも、まずは読者ありき、なんじゃないの?
実際に、その雑誌に価値を見出し、わざわざお金払って買ってくれるのは読者なんだし。

その雑誌はどうなったかって? いわずもがな、です。
雑誌がダメになっている(こういう言い方、好きじゃないし、思うところはあるのだけれど、ここでは割愛)原因は、自らにもあるのですよ、自戒を込めて。


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○本をどこで売るか。本を誰に買ってもらうか。 → http://ricorice.exblog.jp/24048684/




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by ricoricex | 2016-02-06 12:00 | メディアとか仕事とか