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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

本をどこで売るか。本を誰に買ってもらうか。



先の三連休にうれしい報告をいただきました。
昨年の2015年11月22日(日)に重要文化財 旧下関英国領事館(山口県下関市)で行った、イギリス菓子講座“知る! 食べる! イギリス菓子っておいしい 〜スコーン編〜”のご縁で、1階のショップで、拙著『イギリス菓子図鑑』をおいていただいき、それが全部売れましたよ〜、と。
うれしいなぁ。

年末に、イギリス雑貨店PISKEY VINTAGE(ピスキーヴィンテージ)(福岡市薬院)さんのイベント“英国の小さなクリスマス市”に参加した際も、ご厚意で拙著『イギリス菓子図鑑』を出させていただき、これも完売。
うれしいなぁ。


で、痛感したのは、モノはふさわしい場所でおかないと売れない、ってこと。
いえね、発売から10カ月経ちますが売上げは順調、書店などではコンスタントに売れていると、出版社の方からはご報告を受けています。
でもね、私としてはもっと売れて欲しい!
届けられる人、つまりこんな本欲しかったのよ!って人にまだまだ知られていないんじゃなかっていう思いが常にあって、その人たちになんとか届けたい! 
(これまでやってきたイギリスの食に関するイベントや、そして何より当ブログやFB(私はFBは熱心ではないのだけれど)などを通じて、潜在的な読者は多いとふんでいるのです。)

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ところで、私の本、『イギリス菓子図鑑』は、
・マニアックな類に入る(一般的とはいいがたい)
・値段がそこそこする
というクリアすべき課題があります。

どういうことかっていうと、

・マニアックな類に入る
というのは、拙著はイギリス菓子104種の、それぞれの背景やいわれなどを紹介した本で、レシピも入れているけれど、これはあくまでそれがどういうお菓子を意味するかを理解するための補助的なもの。
なので、そういう使い方もできるけれど、家庭で作れるレシピ本という立ち位置とはちょっと違うわけで、誰もが気軽に楽しめる一般書とはいいがたい。
とはいえ、マニアックだから一概に売れないとはいえないんだけど。

・値段がそこそこする
2400円(+税)なので、手軽に買える値段ではない。
ぱっとみて躊躇なく買える本の値段で、1000円台、1800円ぐらいまでじゃないのかなぁ。

と思っているのです。

ということはですよ、『イギリス菓子図鑑』に2400円(+税)を払ってもいい、本当に好きな人、気に入った人が買う類の本じゃないかなぁと推察するのです。

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イギリス菓子図鑑』出版の際に、記念パーティーやれば、やらないの、ときかれました。
結局やらずじまいなのですが、それは
・ご祝儀で買ってもらうには高い
・まったく興味がかすらない人もいるだろう
と思ったことが大きいから。

こういう出版記念パーティーって、本を買ったり、パーティー料金に含まれていておみやげでもらったりするんです。
それはそれでいいんです。
私だって、そのおかげでその方の世界を垣間見れたり、新しいことを教えてもらったりしてきたから。

それと、私は、イギリスの食研究家という肩書きとともに、食の編集者・ライターという側面もあり、こっちの方が長く、つまりは出版物の裏方の仕事をずっとしてきましたし、今もそうです。
編集だったりライターという立場で関わる本の場合は著者ではなくって、でも自分が携わるものは、やっぱり売れて欲しい。
それで、ここの出版社や編集部は興味をもってもらえるかな、そして新刊紹介のページで取り上げてもらえないかな、という願いで献本もしていました。

でもね、いざ、自分の本となったときに、これらのやり方ってちょっと違うかも、と思ったんです。
著者という当事者の立場になって意識が変わったからなのか、たまたま時代の潮目のタイミングに当たったからなのかはわかりません。
そして、これまで見てきたやり方を踏襲しなかったのは、先に述べたように、
・ご祝儀で買ってもらうには高い
・まったく興味がかすらないかもいるだろう
も理由としては大きい。

後者の
・まったく興味がかすらないかも
は、とはいえ、実際に手に取ってもらわないと分からないわけですから、とりあえず献本するというやり方もあるのだけれど、ぱらっとめくってふ〜ん、の可能性も持つわけで、それはあまりに悲しい。
(買ったものをその後どう扱うか、BOOKOFF(ブックオフ)に売りさばこうが捨てようが、はその人次第なので、それはどうでもよくって、要は、一瞬でもおもしろそうと感じ買ってくれた、その行為だけでありがたいわけですが、渡す場合は事情が違う)


上記の理由に加えて、むしろこっちを考えていかないといけないのですが、前述したように時代が大きなうねりをあげながら変わっているたこともあり、雑誌の新刊紹介や、たとえ新聞の一面広告を打ったとしても、果たしてどれほど効果があるのか、今や大きな疑問です。
もちろんこれらは不特定多数の人が対象ですから、無意味ではありません。
でも、以前ほどの効力はもはや期待できないでしょうし、きちんと届いているかどうかについては、あわよくばといったところではないでしょうか。


本をどこで売るか。本を誰に買ってもらうか。

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数字としてはつかめていないのですが、
イベントや、イギリスの食に関連しているところで売るのが売れる、というのが今の私の実感です。
何を今さら、かもしれませんが、私が体験し、肌感覚でそう思うのです。

イベントであれば、私もご一緒してますし、ノリでご購入くださる方もいらっしゃるからでしょうが、そこではやはり売れる。
また、冒頭で述べたように、私が不在にも関わらず(本人がいなければ気遣う必要もないし、その場のノリってこともないから冷静に判断できるでしょう)、イギリスの食に関連しているところで売れるということは、本当に欲している方が見つけて買ってらっしゃるんだなぁと思うのです。
実際に、東京のフランス&イギリス雑貨店でも見本をおいていただいており、ご興味をもった方が購入されているというご報告もいただいていますし。


ということは、
・適したところで売る、ってのが大事
・さらにそれを押し進めるために、どさ回り(イベント)が必要

と考えるわけです。

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つまり、今のお店のあり方を抜本的に見直す時期にきているのかもしれません。
そうでないところが増えたとはいえ、現状、店舗のあり方は、効率重視、仕入れや流通の仕組みありきで成立しているわけでしょう。
本屋がいい例で、出版物の流通の仕組みは独特ですから、本や雑誌を扱う。

でも、お客さんって果たしてそうなのかな?
たとえば、タイに旅行に行きたい人がトラベルガイドを探しに本屋に来たときに、ガイドなり会話集なりを買ったと同時に、旅行用品、それはスーツケースだったり、帽子だったり、アメニティグッズだったり、はたまた今はタイに在住している日本人も多いから、そういう人向けのおみやげがおいてあったり、旅行代理店が入っていてもいいかもしれない。
現地気分の予行練習じゃないけれど、タイ・カフェがあるとさらによし。
そういうのを統括して扱っていれば、一度にすべて、とはいわないけれど、タイ旅行に向けての基本的に必要なことは、そこでオッケーなわけです。

要はモノのジャンルではなく、シチュエーション切りに転換するってこと。
私の場合は、イギリスの食といった具合に。
今でもやっているところあるけれど、本格的にそっちのベクトルに向かって本腰入れてやる時期に来ているじゃないかな。

で、もってそこに関連イベントが加われば、お店側も集客の糸口になるし、関わる人も自分の活動をプロモーションできる。
これが今の時代のどさ回り。
これまでのイベントを通じて、実際のお客さんに会う機会を作るのはとおおおおおおお〜っても大事だと、私は痛感していますし。

自分がイギリスの食についてのそういう場を作るっていうことも考えたいけれど、まずは礎として『イギリス菓子図鑑』をしっかり売りたい。
そのために、今はどさ回り(っと、コラボって言った方がいいかな)をもっと積極的にやりたい、そしてひいては日本における今のイギリスの全体の底上げを図りたい、と切に願うのです。
一緒にやりましょう!って企業の方々&みなさま! ぜひ、ぜひ、ぜひ!!!



~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○『イギリス菓子図鑑』発売!→ http://ricorice.exblog.jp/22846714/
○満員御礼! “知る! 食べる! イギリス菓子っておいしい ~スコーン編~”→ http://ricorice.exblog.jp/23894644/
○英国の小さなクリスマス市、終了! ありがとうございました! → http://ricorice.exblog.jp/23985615/





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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2016-01-14 12:00 | メディアとか仕事とか