このカスターシュガー、生地を筆頭に、甘味料(昔は保存料としても)のベースになります。
カスターシュガーほどではありませんが、お菓子作りに欠かせない砂糖には、ほかに粉砂糖もあげられます。
粉砂糖、粉糖とも呼ばれるこの砂糖、粒子が細かくさらさらしているので、混ぜたときになじみやすい、という特徴があります。
粉砂糖は英語でicing sugarと呼びます。
前回の“~単位 05:グラウンド~( → http://ricorice.exblog.jp/23738822/)”では、スパイス類の粉状を表すのに、英語ではパウダー/ powderではなく、 “挽く”の動詞“grind”の過去分詞“gruond”を形容詞として用いると説明しました。それは形状ではなく、粉状にするという工程からくるものだと。
ということは、icing sugarは?
icing/アイシングを紐解くと、ice + ing
iceするための、という意味になります。
ではアイスとは?
ぱっと思い出すのが氷ですよね。
でも、これだけじゃないんです。
ケーキなどの表面に糖衣がけをすることがあります。これ、アイシングと呼び、その方が通りがよかったりもしますよね。
そう、アイスには糖衣がけをする、という意味もあるんです。
ice + ingで糖衣がけするが名詞となって、アイシング。
その糖衣がけのための砂糖なので、アイシング・シュガーなんです。
以下、おまけ。
秋になると登場するお菓子にマロン・グラセがありますよね。
このグラセも糖衣掛けするという意味のフランス語の動詞、glace/グラスが変化したもの。
マロンを後ろから形容して、糖衣がけした栗という意味。
あっ、マロンはフランスで英語ではチェスナット/chestnutです。
(こちらも以前、“英語でレシピを読む! ~食材 04:栗~ → http://ricorice.exblog.jp/23675556/”でご紹介していますので、のぞいてみてください)
アイシング・シュガーはアイシングの材料に使われますが、それだけではありません。
その細かいパウダー状の形状を利用して、仕上げにふりかけたりもします。
ケーキやタルト、シュークリームに粉雪のような白いパウダーがかかっていることがあります。
これ、アイシング・シュガーを使って、茶こしなどを使ってふりかけているんです。
レシピ本の材料ではよく、
icing sugar for dusting
と表現されます。
dustingのためのアイシング・シュガー。
dusting、ダスティングとは何ぞや?
dust + ing、dustとはダストで、ほこりとかちりとかの意味があり、スターダストといえば、星屑。
そこだけ取り出すとゴミとかそういう認識になっちゃうのですが、ここでいうほこり、ちりの共通項は粒子の細かいもの。形状の大きなものではありません。
なので、dustが動詞として使われるときには、細かい粒子、つまり粉末を振りかけるという意味になるのです。
ついでにもうひとつ。
糖衣がけ、イギリスではアイシングと呼びますが、アメリカ合衆国ではフロスティング/frostingと言います。
イギリスのレシピ本でも、国際マーケットを意識したものや、アメリカっぽいお菓子には、フロスティングという言葉が使われます。
というわけで、
icing sugar → 粉砂糖
と覚えてくださいね。
ではでは〜!
〜〜過去の関連記事も併せてどうぞ
○英語でレシピを読む! ~序章 01~ → http://ricorice.exblog.jp/23122508/
○英語でレシピを読む! ~食材 01:セルフレイジング・フラワー~ → http://ricorice.exblog.jp/23273881/
○英語でレシピを読む! ~食材 02:カスターシュガー~ → http://ricorice.exblog.jp/23305581/
○英語でレシピを読む! ~食材 03:ナス&ズッキーニ~ → http://ricorice.exblog.jp/23462295/
○英語でレシピを読む! ~食材 04:栗~ → http://ricorice.exblog.jp/23675556/
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