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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

トップシェフが告白! “実はこの料理、作るの好きじゃないんです”


こーゆーの読むと安心するなぁ(笑)。
一流シェフときくと、どんな料理もいとも簡単にほいほい作ると思いきや、シェフとて人の子、なんだってね。
当然、得意じゃないものもあるのです。

2015年7月21日(火)づけのイギリスの新聞、Daily Telegraghにあったのはこんな記事。
トップシェフが告白! “実はこの料理、作るの好きじゃないんです”
What do chefs hate to cook?
http://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/11752804/What-do-chefs-hate-to-cook.html

さてさて、シェフが不得手な料理ってどんなものなのでしょう。
ではでは、のぞいてみましょう。

01. ピーター・ウィーデン/Peter Weeden
オーナーシェフ@Newman Street Tavern(ロンドン)
苦手な料理:蟹サラダ
“一見、シンプルに思える料理だけれど、手間がかかるんだよねぇ。蟹をゆでて、冷めるのを待って、身を取り出して。。。蟹の足は8本、加えてはさみ、甲羅、それを全部だからなぁ。。。そこまでやって蟹の下ごしらえがやっと終了。そこからやっとサラダを作るんだから”

02. デイヴィッド・フィルポット/David Philipot
ヘッドシェフ@Paternoster Chop House(ロンドン)
苦手な料理:ステーキ
“ステーキはむずかしいねぇ。Well done(ウェルダン)って焼き加減を表現する言葉があるけれど、あれって、普通に使うときは、よくできました!ってことで、まさしくそうなんだ。目を光らせて肉を仕入れるところから始まり、ていねいに扱い、ちょうどいい頃合いで調理する。まったく神経を使うよ!”

03. リー・カデン/Lee Cadden
ヘッドシェフ@Charlotte’s Place(ロンドン)
苦手な料理:アーティチョークを使う料理
“下ごしらえも時間がかかるんだけど、なんといっても扱ったあとに手が黒くなるのがねぇ。。。しかも、香りというか味というかも手に残って、アーティチョークをさわったあとの数日は、なんだか何を料理してもほろ苦さが移るような気がするんだ。そのくせ、手間ひまかけてむいて現れる肝心の可食部の花心は、びっくりするほど風味が弱く、一体なんなんだ!って言いたくなるよ”

04. ロジャー・スティーヴンス/Roger Stevens
オーナーシェフ@Lasswade Hotel(ウェールズ)
苦手な料理:テット・ドゥ・ヴォー
“う〜ん、苦手な料理ねぇ。特にないんだけれど、あえて挙げるとすると、テット・ドゥ・ヴォーかな。テット・ドゥ・ヴォーはフランスので伝統料理で、仔牛の脳を煮込んだもの。以前は月に一度は作っていたんだけれど、なんせ時間がかかるんだよね。頭から脳とか食べる部分を外すために丸1日塩水に漬けて、それから時間をかけてゆでる。そりゃもう、グロテスクなもんだよ。あと味ね。僕はテット・ドゥ・ヴォーの味が得意じゃないから、味見も好きじゃないんだよね”

05. マーク・スレッギル/Mark Threadgill
シェフ@Portmeirion Hotel(ウェールズ)
苦手な料理:サーディン
“とにかく下準備に時間がかかるんだ。一度に届くサーディンは5〜10kg。あの小さい魚を一尾一尾おろして、小骨をとるんだから。ていねいかつスピードも求められるから、経験がものをいう。そうして、ひと仕事終わってやっと調理にとりかかれるんだ”

06. ティム・アレン/Tim Allen
ヘッドシェフ@Launceston Place(ロンドン)
苦手な料理:ケジャリー
“たいていのメニューは楽しんで作ってるよ。う〜ん、そうだなぁ、ケジャリーは得意じゃないかもなぁ。修業時代を思い出させる料理で、作っているときにあんまり楽しめないんだよね”

07. ポール・A・ヤング/Paul A Young
ショコラティエ@Paul A Young Fine Chocolates
苦手な料理:カップケーキ
“今は少し落ち着いたけれど、2年ほど前までのカップケーキの状況は狂ってるって思ったよ。これでもか!とデコレーションを施し、いかに目立つかに主眼がおかれ、なんなんだ、これは!ってね。おまけに、食べておいしいわけでもなかったし。だからカップケーキは見るのも嫌だけれど、フェアリー・ケーキは大好き。適量なバタークリームをのせた、シンプルなケーキこそ完璧なのさ”

08. ジョン・バートン=レース/John Burton Race
オーナーシェフ@The New Angel(ロンドン)
苦手な料理:豚足を使うメニュー
“なんといっても下処理が骨が折れる。漬けて、火を通して、冷まして、ちょっと手を加えて、火を通して、料理するときにまた火を入れる。とにかく時間がかかる! でもこういう忍耐力を必要とするプロセスを経てできあがった料理は、それはそれは素晴らしいものなんだよ!”

09. マイク・ヘンドリー/Mike Hendry
ヘッドシェフ@Court Dining Room at Llansantffraed Court Hotel(ウェールズ)
苦手な料理:トリップ(牛の胃)料理
“うちのメニューになくてなかったよ! トリップは下処理に時間がかかるのと手順が多くってね。3時間とろ火にかけて、冷蔵庫で一晩寝かせ、翌朝、塩で洗って、なんて考えたら、気が遠くなるよ”

10. オマール・アリボイ/Omar Allibhoy
オーナーシェフ@Tapas Revolution(ロンドン、ケント)
苦手な料理:生ハムのクロケッタ(コロッケ)
“食べるのは大好きなんだけど、作るのは。。。スペインの代表的な料理だから、うちの店でも人気があるけれど、正直1週間に20時間もとられるのはなぁ。クリームコロッケだから、ベシャメルソースを作る必要があり、これに2時間、冷めるのを待つのに3時間。それからひとつひとつ丸めて衣をつけていくとあらば、分かるだろ? そして、厨房が散らかるのも好きじゃないんだよね”


こうやってみると、時間がかかる(割に実入りが少ない)のが、あ〜って気分になるようですね。

07のポール・A・ヤングのカップケーキ・ブームはひと段落した、という趣旨の発言。
昨年、2014年秋に現地イギリスのクッカリークラスをとったときに、ピークは去年だったという話が出たのを思い出しました。
今も店は多いし、これで下火になる、というよりは定着はしたように思うのですが、やっぱりカップケーキ・ブームは落ち着いたんだかなぁ、と確認した次第です。

それにしても、このオリジナル記事の最初に登場するピーター・ウィーデンの表情! ベズかと思ったぜよ!


~~過去の関連記事も併せてどうぞ
○イギリスの10人のセレブリティシェフによる母親の思い出の味 → http://ricorice.exblog.jp/23077565/
○セレブリティシェフの“実はこれ、大好きなんです” → http://ricorice.exblog.jp/22583061/
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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2015-09-14 00:00 | 順位&セレクト