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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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最新・紅茶のゴールデンルール


2015年3月17日(火)づけの、イギリスの女性誌「Stylist」にあったのは、以下の記事。
おいしい紅茶の淹れ方:最新紅茶のゴールデンルール
Fancy a cuppa? How to make the perfect cup of tea (and why most Brits are getting it wrong)
http://www.stylist.co.uk/life/how-to-make-the-perfect-cup-of-tea-and-why-most-brits-are-getting-it-wrong-drinking-habits

その内容は、と言うと、次の通りです。
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01.プラスティックは避けて、陶(磁)器のカップを使う。
  Steer clear of plastic, disposable mugs and use a porcelain cup.
02.紅茶を作る直前にやかんに水道水を入れる。
  Only use freshly drawn water for the kettle.
03.お湯が沸いたら、火を止めて5秒待ってからカップとティーポットに注ぐ。
  Once water is boiled, wait five second before pouring into cup or warmed teapot.
04.風味と濃さを最良のバランスにするため、3〜5分抽出させる。
  Brewing time between three to five minutes for optimum balance of flavour and strength.
05.5%のセミスキムドミルクを紅茶を注ぐ前に入れる。
  Add five per cent of semi-skimmed milk to the cup before adding tea.
06.紅茶の温度が60℃に下がるまで6分待つ。
  Wait for six minutes for the temperature to drop to 60C before drinking.

このゴールデンルール自体は、2013年のロンドンカレッジの研究レポートによるもので、ちょっと古いのですが、この記事が発表された2015年3月17日(火)が、2015年3月13日(金)〜22日(日)のイギリス科学週間/British Science Weekにひっかけたもので、身近な科学のひとつとして取り上げられました。
They've got it down to a tea! Scientists work out how to make the perfect cuppa... and it needs a china cup


よく言われるヴィクトリア朝期に作られたゴールデンルールよりはもう少しだけ発展させた内容になっているかと思います。
ちなみに、ヴィクトリア朝期の紅茶のゴールデンルールは、家政学のバイブル『ビートン夫人の家政書』(原題:Mrs. Beeton's Book of Household Management)をベースとするもので、ざっとこんな内容です。
01.よい茶葉を使う。
02.茶葉の量を正確に量る。
03.ティーポットを温めて使用する。
04.くみたての水を沸騰させる。
05.時間を計ってしっかりと茶葉を蒸らす。


正直、私自身は、プロでない限り、こういったルールにがんじがらめになって紅茶を淹れるのが億劫になるよりは、普段は気軽さ優先でいいのではと考えます。だからこそイギリスの紅茶の消費のほとんどはティーバッグなわけですし。
時間に余裕があれば、こういったルールに従うぐらいの感覚でいいのではないかと思います。


ところで、この記事を取り上げたのは、単に紅茶のゴールデンルールを紹介したかったからではなく、そこにあったデータ関係がおもしろかったから。
1000人を対象にした調査結果は以下の通りです。

・イギリスでは一日に1億6500万杯の紅茶が飲まれる。
・紅茶の理想的な抽出時間が2〜5分であることを知っているのは16%。
・9割の人がイングリッシュブレックファスト・ティは砂糖なし、マグで飲むのがベストと考える(※筆者注:ミルクは入れる)
・ 69%の人は紅茶のあとにミルクを入れる。ただし、65歳以上の人はミルクを先に入れる傾向にある。
・ 8割の人が抽出時間を2分と待たないうちに飲む。なぜなら"熱いうちに飲むのがベスト/the hotter the better"と捉えているから。

この調査によると、イギリスの人口は約6400万人ですから、ひとりあたり一日に飲む紅茶は3杯に満たない計算となります。
具体的な調査方法が分からないので、一概に言い切ることはできないのですが、それでも、かつてはイギリス人は1日に5〜6杯、いやいや7〜8杯紅茶を飲むといわれていた時代は過ぎたことが表れているのではないでしょうか。
外食が増え(筆者注:かつては外食は単に食事を楽しむよりはソーシャルなもので、一般の人は、特に日本を含むアジアの外食文化の発達した国々よりはうんと低かったのが、ここ20年ほど外食への意識がもっと日常的なものへと変わってきました。とはいえ、ロンドンの都市部では外食は高額なので、おいそれとできるものではありませんが)、飲料のバリエーションが増えたことが大きな理由でしょう。


〜〜過去の関連記事も併せてどうぞ
○イギリスの生活必需品(食品)の変遷 → http://ricorice.exblog.jp/22779789/
○イギリスのお茶屋さん5選 → http://ricorice.exblog.jp/22078276/
○Have a Cuppa Tea → http://ricorice.exblog.jp/20975204/
○おいしい紅茶を淹れるには(ティーバッグを使わずに) → http://ricorice.exblog.jp/20788687/



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by ricoricex | 2015-04-07 00:00 | Tips(コツ、秘訣、豆知識)