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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

イギリスの地方料理 サウス・ミッドランズ 04


果物だけでなく、野菜も注目に値する。
たとえば、ローマ人によってイングランドにもたらされたアスパラガス。
この地のアスパラガスは
同じくアスパラガスの産地であるイースト.アングリアのものよりも
細いのが特徴だ。
その繊細な味で評価が高く、賞の常連である。

このアスパラガスは決して安いものではない。
それは限られた時期にしかできないこと、
畑はほかの野菜栽培と併用できないこと、
そして機械でなく手で収穫するために、
どうしてもコストがかかってしまうのである。

またホップの栽培にも適しており、
ケントと並び、ホップの産地として知られる。

セヴァーン川、そして支流もまた食材を届けてくれる。
サケ、ウナギ、シラスウナギらがそれだ。
とりわけ、シラスウナギはこの土地の名物として何百年も続いており、
パイの一種である、シラスウナギのケーキを筆頭に、
唐揚げ、ベーコンと焼いてオムレツに添えたりもする。

シラスウナギ漁では、目の細かい特別な網が使われる。
漁は夜行われ、灯りをつられてやってきたシラスウナギを捕まえるのだ。
イースター・マンデーはシラスウナギ漁にとって特別な日で、
川沿いの村では、シラスウナギ大食い競争が行われる。
あるときの優勝者は、30分で実に500尾ものシラスウナギを食べたとか。
現在シラスウナギはヨーロッパや日本へ、ウナギの稚魚としても輸出されている。

セヴァーン川のサケ漁は、Y字型をした網“lave net”が使われるのが伝統で、
河口では漏斗に似たバスケットが使われることもあった。
また、セヴァーン川ではヤツメウナギが捕れることもある。
ヤツメウナギはウナギに似た原始的な形に近い魚で、
エサとしてほかの魚を食べるために口の吸引力が非常に強い。
地元では、ヤツメウナギは“nine eyes”とも呼ばれ、
これはエラが目のように見えることから。
“the prid” “the pride”とも言われる。
(・・続 く・・)

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前回までの“イギリスの地方料理 サウス・ミッドランズ 01〜03”はこちら(↓)
イギリスの地方料理 サウス・ミッドランズ 01 http://ricorice.exblog.jp/22576117/
イギリスの地方料理 サウス・ミッドランズ 02 http://ricorice.exblog.jp/22605182/
イギリスの地方料理 サウス・ミッドランズ 03 http://ricorice.exblog.jp/22633335/

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by ricoricex | 2014-12-19 00:00 | イギリスの地方料理