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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

シュガーロード ~小倉 05~


2013年12月18日のシュガーロード日帰りモニターツアー(平戸・諫早・長崎)に引き続き、
2014年1月22日、シュガーロード日帰りモニターツアー(佐賀・飯塚・北九州)に参加しました。
このツアーでの最終地は福岡県北九州市。
九州の北端、といえばわかりやすいでしょうか。
加えて、北九州市小倉はシュガーロードの起点でもあります。

シュガーロード ~小倉 05~_e0038047_085533.jpgこの日、北九州市で連れて行ってもらったひとつが
門司港レトロ展望室」。
ここでロールケーキをいただきました。
昨今のロールケーキはふわふわの生地に
生クリームたっぷりが主流となっていますが、
なんだかクリームは接着剤程度で、
おそらくバタークリーム(マーガリンか?)。
塩気がきいていたのは、サレを意図して、ではなく、
無塩を使っていないからだと思います。
一切れずつ個別包装になっていて、
店名の書体が、1970年代のブティックっぽい
(一条ゆかりの『砂の城』って感じかな)。
まだハウスマヌカンとかスタイリストが脚光を浴びる前の、ね。

このツアーで、なぜ北九州市でロールケーキなのかの説明がなかったのが
いささか残念でしたが、
私自身は、実にこの北九州市のロールケーキこそが
シュガーロードに着目するきっかけを作ってくれたのです。
そのあたりはこちらでどうぞ(→)。 http://ricorice.exblog.jp/20664586/

シュガーロード ~小倉 05~_e0038047_0115280.jpg門司港の高いビルから関門海峡を眺めていると、
不思議な感覚に襲われます。
私は過去のことを振り返ったり
懐かしがったりしないタイプで、
いつも“今が一番楽しい”(そのせいか
自分の過去がいつも人ごとみたい)のですが、
唯一、あの頃は毎日楽しかったなぁ、だったのが
小学校1・2年生のとき。
引っ越しが多く、そのときその年齢でその場所に住んだことや
周囲の環境もいい、というか、いろんなことが私ととても相性がよかったのでしょう。

その頃、小学校2年生の社会科見学で、
今は海響館へと変わった下関市立水族館へ行き、
海底トンネルを歩き九州へ上陸し、今でもくっきりと、
その日のお弁当ですらはっきりと思い出されます。
その社会科見学で別段何があったわけではないけれど。

その後、大学入学とともに東京での生活が始まり、
2年半前に福岡に移って、距離的に近いわけですからその機会も増え、
本当に久しぶりに関門海峡を眺めると、
小学生だった自分と今の自分とを行ったり来たりするような。

いろいろな町が壊して町の表情を変えてきたけれど、
このツアーで食べたロールケーキの味や佇まい、
ロールケーキに記された1970年代っぽい店名の書体をはじめ、
北九州市には過去と現在が確かにつながっている匂いがそこかしこにするので、
私自身、自分がふっと昔に戻るのかもしれません。

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【シュガーロード(長崎街道)】江戸時代に整備された脇街道のひとつで、小倉・常磐橋を始点に長崎まで続く道。江戸時代、鎖国体制の中、海外との唯一の窓口であった出島に届いた砂糖は、この長崎街道を経て、京・大坂、そして江戸へと運ばれて行きました。長い年月の中で、菓子文化も大きく開花しました。

wed 22/01/14



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by ricoricex | 2014-02-05 00:00 | シュガーロード/長崎街道