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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

イギリスの地方料理 イースト・アングリア 02


つまり、イースト・アングリアはエリア全体を見ると、農業の盛んなところである。
とりわけ海岸沿いは土壌がよく、土地の人々はこの恩恵に預かれるわけである。
例えば、サンファイア。これはイギリスの海岸沿いで見られる食用植物のひとつだが、
イースト・アングリアのものはひときわ大きくて肉厚である。
そして、海沿いに広がる穀物の畑や泥炭の沼沢地は、
野鳥のシェルターとしても役割も果たしている。
それらの鳥には、ヤマウズラ、ウズラ、ヤマシギ、マガモ、キジなどがいる。
ウサギのイースト・アングリアを代表する食材のひとつ。
伝統的な料理、ジャグド・へアに使われる。
いわゆる牛やラムを使うサフォーク・シチューは、
本当に特別な場合にだけ作られる料理であるのに対し、
ジャグド・へアは日常のごちそうである。

海辺の町は、それぞれのエリアで独自の文化が発達しており、それは食文化も然り。
クロマーは、小さいながらもずっしりと重さのあるカニで知られる。
夏になると、道路沿いの家の扉が開け放たれ、
眼前の海でとってゆがいたカニが並べられる。
クロマー名物のこのカニは、イングランドの西側でとれるものと比べると小ぶりではあるが、
旨みが濃縮した身がみっちりと詰まり、味わいも濃厚である。
ところが、である。
ロンドンのマーケットで取り引きされるには、このクロマーのカニは小さい。
だからこそ、前述のように、地元の漁師たちが自分でとったものを、
自らの家の軒先で売っている次第である。
このカニを使った名物料理に、ベイクド・クロマー・クラブがある。
(・・続 く・・)

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前回の“イギリスの地方料理 イースト・アングリア 01”はこちら(↓)
イギリスの地方料理 イースト・アングリア 01 http://ricorice.exblog.jp/21459044/

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イギリスの地方料理 バークシャー
イギリスの地方料理 バッキンガムシャー、ベッドフォードシャー、ハートフォードシャー
イギリスの地方料理 サリー
イギリスの地方料理 ケント
はこちら(↓)
http://ricorice.exblog.jp/i28/



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by ricoricex | 2013-12-29 00:00 | イギリスの地方料理