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イギリスの食研究家、食の編集者/ライター、フードアドバイザー、情報発信サポーター“羽根則子”がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。


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ラーメンセット@四方平


e0038047_231614.jpg四方平と書いて、よもへい、と読みます。
福岡県北九州市小倉は、デパートの井筒屋の前に、でんと構えていて、
“小倉の元祖 すしとラーメン”とあるのぼりがどうにも気になって仕方なかったのは、
2013年1月、シュガーロード/長崎街道研究でこの地に来たときのこと。
以降、電車でもコーチ(長距離バス)でも1時間ちょいと近いながら、
なかなか来る機会を逸していました。

ようやく再訪。
忘れていたわけではなかったのですが、お昼をどこで食べようかなぁと思いながら、
小倉城の方向に向かっていたときに、ふと目に留まったのが、件ののぼり。
そうだそうだ、と迷わず、入りました。

「いらっしゃいませ!」大将と女将さんの元気な声。
元気はあるのですが、威勢がいいとかではなく、
やさしく微笑んで語りかけてくれ、ほっと落ち着かせてくれます。
これは注文をとるときも、お会計をすませたときも変わらない。

朱色のテーブルやテーブルの上の調味料類、壁に貼られた品書き、
照明は暗く(電気はついていたのかなぁ?)、
私の記憶にかすかに残る昭和の食堂の面影がきっちり存在しています。

e0038047_23161649.jpgオーダーしたのは、ラーメンと細巻きがセットになったラーメンセット。
ランチサービスで、14時まではこのセットは50円引きで600円。
ラーメン単品にいたっては450円が400円に。
細巻きは、きゅう(かっぱ)、うめきゅう、えびきゅう、新香、鉄火など10種類近く
(写真の細巻は2人分で、うめきゅう巻と新香巻)。
ラーメンよりあとで出て来た、ということは
オーダーを受けてから作ってらっしゃるのでしょう。

ラーメンは、なんの予備知識もなかったので、
一瞬どろどろ豚骨かと思ったのですが、匂いが違う、色も違う。
スープは、飲めば、見た目よりもずっとあっさり。
鶏ベースで、淡白というわけではなく、静かなコクがあります。
高校のときに食べた学食のラーメンを、きっちりと仕事をして店の味にしたような趣。
最近の濃厚、こってり、ダイレクトにガツンとくる味わいに慣れている人には
物足りないと感じるかもしれません。
個人的には、このくらいが、喉を通ってからゆっくりと旨みが広がる感じは好きですね。
あとで喉が渇かないのもいい(私の日常的に食べているものはとても淡白で、
病院食の方が味つけが濃いほどです)。

有名店らしく、店内には雑誌や新聞の記事が飾ってあり、
それらによると、昭和12(1937)年創業。
もともとは寿司屋だったのが、戦後の米不足による食糧管理制度によって、
寿司を握れなくなり、それでは、とラーメンも始めたとのこと。
その後、米不足が緩和され、ラーメンをやめようとしたけれど、
すでに看板メニューとなっていたので、そのまま続けているようです。

目の前の井筒屋のデパートでの買い物帰りの人、
さくっとお昼を、といった風情でやって来るおじさん、
さっと来て、さっと食べて、ごちそーさん、と言ってさっと帰って行く。
気負いなんてものはなく、ただ当たり前のようにそこにある。
当たり前とはかくもありがたいものなのか、と唸ってしまいました。

sat 15/06/13



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by ricoricex | 2013-06-16 00:00 | 九州の味