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イギリスの食研究家、食のダイレクター/編集者/ライターの羽根則子がお届けする、イギリスの食(&α)に関するつれづれ。chattex アットマーク yahoo.co.jp


by ricoricex

宝満山@梅園


隣県の山口出身の私にとって、
18歳で上京するまで馴染みがあった福岡の町は、
北九州市であり、そして太宰府でした。
北九州市は物理的に近く
(小学2年生のバス旅行で、関門海峡の地下トンネルを歩いて九州に渡った)、
太宰府は数年おきに天満宮に参拝に行っていたから。

宝満山@梅園_e0038047_2230968.jpg20年以上前の記憶ですし、子どもでしたし、
それでも、梅ヶ枝餅が名物というのはしっかりと刻まれたわけです。
ところが、福岡に移ってきて、
参道の和菓子屋、梅園(ばいえん)さんでおもしろいお菓子を作っていることを知りました。
(余談ですが、梅園と見ると、つい東京・浅草?と思ってしまう(苦笑)。。。)

そのお菓子の名前は「宝満山(ほうまんざん)」。
材料は卵と砂糖と寒天だけ。
しっかりとした淡雪のような、なんとも不思議なテキスチャーがあります。
こっくりとした甘さがあり、
甘美な甘さが後をひき、豊かな気持ちにさせてくれます。
一度にたくさん食べる類のお菓子ではなく、少しカットして食べる、
抹茶や渋めのお茶、濃いコーヒーに合いそうです。
梅酒やブランデーをかけるとよりリッチな味わいになるとのことで、
確かにウイスキーやポートでもいけそうです。アマレットなどもいいかもしれません。
おいしい/おいしくない、ということではなく、記憶に残る、
そしてときどき思い出して食べたくなる、そんなお菓子です。
宝満山@梅園_e0038047_22313935.jpg


ちなみに、宝満山とは、太宰府天満宮の裏手にそびえる山のこと。
この山に、竈門神社という神社があります。
梅園の創業者は、どこにもない独自のお菓子を作りたいと毎日試行錯誤を繰り返し、
その姿を見ていた妻が竈門神社に毎日お祈りをしていたとのこと。
ある日、二人揃って参拝に行った日にお菓子が完成し、
宝満山にあやかって名前をつけたとか。
そのあたりの詳細は、梅園さんのウェブサイトからどうぞ。

梅園の「宝満山」は、
北九州市小倉に本店のある湖月堂(こげつどう)さんの「栗饅頭」同様、
松本清張に愛されたお菓子。
車を飛ばしてやって来て、もう近くまで来ているから、と
閉まっていたお店にお願いして、お買い上げになったこともあったそうです。

宝満山@梅園_e0038047_22331953.jpg宝満山@梅園_e0038047_2233458.jpg宝満山@梅園_e0038047_2232324.jpg梅園には、ほかに「うその餅」「鬼まつば」「梅守」などのお菓子があり、
どれもきっぱりとしたネーミングが気持ちよい。
どのお菓子も、「宝満山」と同じく、
シンプルな材料で作った、芯の通ったいさぎよさのようなものがあります。




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・『イギリスの食、イギリスの料理&菓子は“イギリスの食研究家”“食の編集者/ライター/アドバイザー”羽根則子のブログです。

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by ricoricex | 2013-04-05 00:00 | 九州の味