今年の5月31日で30年の歴史に幕をおろすことを知りました。
移り変わりの激しい大名という場所で30年、その前には違うところでやってらしたようで、
長いパン屋さん人生、お疲れさまでした。
といっても、まだ少し時間があるので、また行ってみようと思います。
2011年の暮れだったか、体調を崩されて入院、休業、
昨年6月に営業再開されたものの、お体がきついようです。
おそらく店頭に貼ってあるものでしょう、
フェイスブックで見た、直筆のメッセージは、胸を打ちます。
といっても、私の場合は、知ってから日が浅い。
ずっと親しんでこられた方の感じ方とは、違うとは思いますが。
福岡に来て、何人かの方に教えていただいた何軒かのパン屋さんを教えていただき、
一番しっくりきたのがボンジュールでした。
特別なものはおいていませんし、おそらく材料も特別なものは使ってないと思われます。
でも、素直で実直な味と、このお店は気持ちが温かくなる接客で、それがほっとします。
お値段も財布にやさしく、普段食べるものは、こうあって欲しい、のです。
自分の哲学を貫く店、アルチザンブレッドベーカリー、それはそれで魅力です。
おもしろいなぁと思いますし、考え抜かれた味わいに感激することもあります。
とはいえ、体にすっとなじむのは、やっぱり、こういう気取りのない店なんです、私の場合。
同じく、福岡市柳橋連合市場にある高島屋、
1月に行った、北九州市小倉のシロヤベーカリーや虎屋のパン。
いいな、と思うパン屋さんは、昭和の香りがしますし、
実際に昭和の時代から続いているパン屋さんです。
別段、昭和なものが好きなわけではありません。
あまりに時代と乖離してしまって、がっかりする店もあります。
おそらく、私がいいなと思うこれらの店は、
アイテムやレシピを変える/変えないと含めて、企業努力をなさっているのと、
何よりお店側が自分の店やアイテムに愛情と誇りを感じることがうれしくなるのです。
技術は習得できても、その上に行くためには、やはり愛情や熱意なんだと思うし、
それが通じるから、こちらもその店が好きになるんだと思うのです。
何の仕事でも一緒ですね。
東京で最後に住んだ、文京区目白台。
歩いて行ける範囲、雑司が谷に、いかにも街のパン屋さんといった風情の
とても好きなパン屋さんがありました。
ここも特別なものは使っていないと思います。
バゲットとレーズン食パンをよく買いました。
福岡に来て、1年8カ月が経ち、外の目と内の目と、
外の目から見ると、リトル・トウキョウのような店が多いのは残念な気がします
それもあって、上記の昭和な佇まいの店は、いかにも地域に愛されていて、唯一無二。
そこに魅力を感じるのです。
・当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます。